「 二重サッシ 」は色々な配慮が大切

この処「 高速道路 」「 幹線道路 」や「 鉄道線路 」等が近接している新規分譲マンションは音対策として,これらに面する窓を「 二重サッシ 」にしています。

ここで,よく皆様が混同なさるのが「 二重サッシ 」と「 ペアーガラス 」です。

ちなみに「 二重サッシ 」とは外部の音が大きい場所に使用されているもので,外部音の「 遮音 」を主な目的の為に設置される物で,断熱効果も期待できます。

そして「ペアーガラス」とは乾燥剤入りスペーサーと呼ばれる金属部材で2枚のガラスの間に中空層を持たせ,その空間には乾燥空気が封入されたガラスで主な目的は断熱効果です。「ペアーガラス」は冬場,戸外の冷気を遮蔽することに依りガラス面に結露を発生しにくくするのと夏場には外部の熱がなるべく室内に入らない用にするのが大きな目的です。

さて,話は元に戻りまして,先日「 現地同行 」チェックで拝見致しました新規分譲マンションのモデルルームでの事です。モデルルームは「 幹線道路 」に近接している住戸の外廊下側の洋室2室の窓を「 二重サッシ 」にしていました。「 現地同行 」チェック依頼者には「 幹線道路 」が結構うるさいので「 二重サッシ 」にされたと申し上げました。

しかし「 二重サッシ 」にしている部屋であっても,24時間強制機械換気システム用の吸気口( レジスター )を開きますと,そこから音の侵入がありますので,外部のチェックが必要です。

平成15年6月より建築基準法改正のシックハウス対策の一環で24時間強制機械換気システムが義務付けられ,住戸内の空気を2時間に1回総入れ替え可能にしなければならなくなりました。その為には居住者はレジスターを常に開けておきませんと,基準法上の換気効果が出ません。ですので,私は住戸玄関の外に出て外廊下側の洋室2室のレジスターの外壁側に「 吸音カバー 」が取り付けられているかを確認致しましたら,キチンと設置されていました。

ここで,私が以前「 二重サッシ 」設置のマンション「 内覧会 」同行チェックでの指摘事項をお話致します。

まず「 二重サッシ 」部屋内側の窓を開け,それから外側の防音サッシを開けた時にクレセント( 引き違い窓等の三日月形の締め金具 )レバーをほぼ水平に致しました。そして部屋内側のサッシを閉めようとしましたら,先程の外側の防音サッシのクレセントレバーが内側に伸びて,ぶつかって閉まらないのです。これは明らかに設計の配慮不足です。

その時,「 内覧会 」に同行していた販売員とゼネコンの方に是正修正工事を御願い致しました。彼等は常套句である「 モデルルーム と同じですから修正は致しません。 」と,よく有る回答をしてきました。私も同様に常套句である「 モデルルーム竣工後に検討会を行なわなかったのですか? 」と問い質しました。

同行の販売者とゼネコンの方はしばらく無言で,その後「 碓井さんの言う通りです。このままですと外側サッシ・クレセントレバーに部屋内側サッシュがぶつかり傷付く現象が起こりますので,外側サッシ・クレセントレバーの短い物に交換致します。外側のサッシは共用部分なので全ての住戸のクレセントレバーを短い物に交換致します。竣工引渡し後に管理組合から言われてから直すより,今現在交換した方が楽です。 」と素直に認めてくれました。

今回「 現地同行」チェック致しました,新規分譲マンションの「 二重サッシ 」で同じ事を試しましたが,外側サッシ・クレセントレバーを水平にしても部屋内側サッシに当りませんでした。処が何か物足りないと感じまして,良く見ましたら部屋内側の樹脂製サッシにクレセントが設置されていなかったのです。

私は早速,モデルルームに同行して戴いた販売員の方に「 部屋内側サッシにクレセントが設置されていませんが,何故ですか?レジスターの外部には吸音カバーが設置されて,入居者に配慮されていますのに部屋内側サッシにクレセント設置の配慮がされていません。部屋内側サッシにクレセントが有りませんと防音効果が薄れますよね。また大きな地震が来たときは樹脂製の軽いサッシですので,動いて開いてしまう恐れが多分に有るのではないのですか? 」と申し上げました。

販売員の方は「 この場で私の判断だけで回答できませんので,後日回答致します。 」と私に言われ,私は「 御面倒をお掛け致しますが,回答は書面で依頼者と私に送って下さい。 」と御願い致しました。

1週間後に私宛の郵便がきまして書面で“ 碓井様御指摘の件,社内で検討した結果を報告いたします。部屋内側の樹脂製サッシにクレセントを設置いたします。御指摘有難うございました。 ”と書かれていましたので,直ぐに販売員の方に御礼の電話を致し,依頼者の方にも報告致しました。

マンションの住戸窓が「 二重サッシ 」の場合は色々な配慮が大切なので,上記を参考によくチェックして下さい。

連載コラム

特集

もっと見る