最上階住戸の二重天井内の換気は必要

この処,暑さもだいぶ和らいできましたが,まだまだ日中の温度が30度を越していますのでマンションの最上階はかなり暑いのではないかと思います。

マンションの最上階のメリットは「 眺望が良い 」のと「 上に住戸が無いので,上階の音が聞こえる心配が無い 」事です。

ディメリットは「 価格( 坪当り単価)が高い 」「 地震時には下層階に比べてかなり揺れが大きい 」のと「 夏はとても暑い 」事です。

中間階の同じ広さの住戸より,価格が10%以上割高ですのに,中間階住戸より「 地震時には下層階に比べてかなり揺れが大きい 」のと「 夏はとても暑い 」のではたまりません。

「 地震時には下層階に比べてかなり揺れが大きい 」件は最近良心的なデベは「 制振構造 」にして「 制振装置 」を密に設置し,地震時の揺れの大きさを以前に比べてかなり小さくされている様です。

しかし,最上階住戸の「 夏はとても暑い 」事は一向に改善されていない様です。この件も改善して欲しいものです。

先日,ある購入者予定者の方が,販売員に「 最上階住戸は夏とても暑いのではないのですか? 」と質問しましたら,販売員は「 最上階住戸の上の屋根( 陸屋根:平らな屋根 )は外断熱し,防水していますので,さほど暑くありません。 」と回答したと私に言ってきました。

確かに,20年以上前からほとんどのマンションは最上階の上の屋根スラブ( コンクリート板 )の上に断熱材を敷き詰め,その上にアスファルト防水層をかぶせて「 断熱防水 」を
施工し,シルバー塗装( 銀色の塗料の塗布 )で仕上げています。シルバー塗装は太陽の光を反射させ,なるべく太陽熱を吸収しない効果があります。

しかし,地球温暖化現象で真夏の最高気温は年々高くなっています。真夏日,日中の温度が30度超のケースがだんだん増えて,今年も体温( 35度~36度 )以上になった日が多々有りました。

通常,最上階の屋根の断熱は厚さ50mmの外断熱ボードを採用しています。しかし,近年夏の昼間の太陽の陽射しはかなり強く防水層や断熱ボードを通してその下の屋根スラブを暖め更に屋根スラブのコンクリートに蓄熱をしてしまいますのでとても暑いのです。

この屋根スラブのコンクリートに蓄熱された熱が二重天井との間でも蓄熱されてしまうのです。そして,夜外部が涼しくなりますと,屋根スラブのコンクリートと二重天井内に蓄熱された熱を放散致します。

屋根スラブより上へ放散してくれれば良いのですが, 屋根スラブのコンクリートの上には断熱材が有りその上に防水層が有るので蓄熱された熱は,屋根スラブ下に放散致します。ですので,夜中でも室内はとても暑いのです。その結果,夜中でもエアコンを冷房運転しなければ暑くて,熟睡できない場合が生じます。

夏場に,この最上階の住戸の暑さを少しでも和らげる様に十数年前,良心的なデベは最上階の二重天井内の空気を自然換気できる様にしておりました。具体的に申し上げますと,住戸毎に二重天井の天井板と上のスラブ下面の中間の位置にバルコニー側と外廊下側の外壁( 又は大梁 )に穴を開け直径50mmのパイプを両側各2ヶ所,計4箇所設置し,天井内の空気が換気できる様にしたのです。

更にそのパイプから雨水が浸入しない様に外壁面より外側部分に突き出たパイプには,ほぼ直角に曲がっているエルボ管( 肘のように曲がった管で継ぎ手に用いる )を下向きに接続しました。

この様に致しますと最上階住戸天井内の空気は結構換気し,蓄熱された空気を外部に放出してくれます。

最近の新規分譲マンションの図面を拝見致しますと,最上階二重天井の換気対策は全く行われていない物件ばかりなのでがっかり致します。ですので「 購入相談 」等では最上階住戸の購入はあまりお奨め致しません。

ちなみに,木造戸建の建物では最上階天井裏用の換気口は絶対に数ヶ所設置しています。この場合の目的は主に湿気対策の自然換気ですが,夏場は天井内の暑い空気の自然換気の役目も果たしております。

マンションの最上階住戸は,最初に申し上げました様に「 価格( 坪当り単価)が高い 」のです。ですから,二重天井内の換気工事費は僅か1住戸当り4~6万円程度ですので,エコ対策にもなり,今後は是非換気口を設置して欲しいものです。

連載コラム

特集

もっと見る