カビや湿気の原因は-2。

今回は前回に引き続き,住戸内のカビや湿気に関しての御説明を致しますので,前回330号のコラムを再度御読みになってから,御覧戴ければ判り易いと思います。

さて,前回申し上げました様な仕様でも防げないカビもあります。それは,外壁からの雨水浸入が原因となっているカビです。外壁側の室内壁に発生致します黒い斑点模様のカビです。これは一番たちが悪いカビです。

外壁と裏表の関係にある住戸内のビニールクロスの色が変わってきたように感じましたら,外壁にクラック( ヒビ )が入っているのではないか,と疑ってください。外壁の内側と室内のビニールクロス下地となっているプラスターボード( PB )裏側のすきまに雨水がたまり,プラスターボードにカビが発生している心配があります。この外壁側の室内壁のビニールクロスの変色は,下地のプラスターボードの黒カビの影響なのです。

外壁のクラックは,ちょっとした地震の揺れでも生じることがあります。外壁の仕様が鉄筋コンクリート造ダブル配筋で厚さ15センチ以上,幅3m以内に誘発目地( 所定の間隔で断面欠損部を設ける事に依り,ひび割れを所定の箇所に発生させ,コーキングにより防水対策してある目地 )を設置している物件ならば,ちょっとした地震の揺れではクラックは発生致しません。しかし,外壁が横幅90センチ程度のALC版( 軽量気泡コンクリート板 )を並べた作りになっている超高層マンションや高層マンションでは,この版と版の間をつなぐコーキング材の切れ目から雨水が浸入していることが多々生じています。超高層マンションですと強風でも揺れるのでこのコーキング材が疲弊し切れて,雨水の侵入につながっているのです。

水分や黒カビはプラスターボードを劣化させます。紫外線,外気温度差の影響や経年変化で外壁の傷みやコーキングの劣化は進みます。この様な状態を放置しておく事は,いいことはありません。早々に外壁のヒビの有無や,コーキング材が劣化し傷みがないかを,専門業者に点検してもらうことをお奨め致します。室内の壁が,まだら模様に変わっていくのは気持ちいいものではありません。見た目の点でも,マイナスです。

ちなみにマンションの外壁は共有部分ですので,検査や補修にかかった費用は管理組合の修繕積立金から出ます。お金の点はいらぬ心配をせずに早めに管理会社に相談する事をお奨め致します。

これからマンションを購入される方は,外壁の仕様を良くチェックし,外壁がALC版( 軽量気泡コンクリート板 )でない物件を選ばれる事が良いと思います。

先日,拝見致しました新規分譲マンションは地上9階建てで,超高層マンションではないのにもかかわらず,住戸のバルコニー側と外廊下側の外壁仕様はALC版でした。但し建物の両端の妻側壁のみ鉄筋コンクリート造ダブル配筋厚さ18センチになっておりましたので,工事費を削減する確信犯だと感じました。この様な入居者への配慮より工事費削減優先のケースが最近は多いので充分注意が必要です。

私事ですが娘夫婦が現在,購入検討している新規分譲マンションは地上8階建てで,外壁は全て鉄筋コンクリート造ダブル配筋です。この様な物件の売主は信頼できますね。

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