契約工期の延長依頼をせずに今後完成した建物は…。

前回『 「 東日本大震災 」に依る建設現場の現況は…。 』324号のコラム最後に下記の事を書きました。

『 良いゼネコンは良い建物を完成させる為には事業主を説得して工事期間延長を認めさせています。
逆にあまり評判の良くないゼネコンは,なりふりかまわずに当初の仕様と異なった良くない資材を採用したり,雑な工事を行って工事契約書内に記載された竣工日までに建物を完成させますので要注意なのです。 』

今回は『 なりふりかまわずに当初の仕様と異なった良くない資材を採用したり,雑な工事を行って工事契約書内に記載された竣工日までに建物を完成させる 』ゼネコンがよく行なう手口のひとつを御説明致します。

通常,マンション等,鉄筋コンクリート造の建物の大梁,小梁,床スラブは,コンクリートを型枠に流し込む打設作業の後,サポート( 型枠を下から支える鉄管製の支柱 )を4週間取り付けておいて大梁,小梁,床スラブ等がたわまない様に養生をするのが建設業者の常識です。

この,サポートの役割は鉄筋や流し込んだコンクリートの重みで梁やスラブがたわんでしまうのを防ぐためですが,工事を急いで進めたい建設業者にとって,4週間は長いので短縮したいのです。しかし,コンクリートは工事中に「 つぶし試験 」をして設計時に定められた強度が出ているかを確認することになっておりまして,おいそれとサポートは外せません。

しかし,工期を短縮させたい時に,サポートを短期間で外すための“裏技”があるのです。

それは,コンクリート打設の時点で設計図書に指示してあるコンクリートの強度より,ワンランクからツーランク上の強度ものを流し込むというものです。この方法ですと約2~3週間程度でも決められた強度は出ます。

国土交通省の「 建築工事共通仕様書 」でも,設計された強度が出れば4週間経っていなくてもサポートを外してよいことになっていますから,手続きとしては必ずしも間違っていると言い切れません。
 
ただ,やはり4週間前にサポートを外しますと,コンクリートが生乾きですので,設計強度は出ていても,じわじわと梁やスラブにたわみが出て変形が発生する可能性は高いのです。

入居後に大梁が多少たわんでいる様な欠陥に巻き込まれないためには,良いゼネコンが工事したマンションを選ぶ様に自衛して下さい。

ですので,良いゼネコンは良い建物を完成させる為に,毎日の様に小さな地震が起きているこの時期,事業主を説得して工事期間延長を認めてもらって工事をしています。

良いゼネコンの見分け方は私に御相談戴ければ,お教え致します。

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