「 東日本大震災 」に依る建設現場の現況は…。

3月11日の「 東日本大震災 」に依って工事中の建設現場はかなり工期が遅れて工程表通りに進んでいないのが現状です。

特に分譲マンションは事業主が購入者との売買契約書で住戸の引渡し日を決めており,建設会社は事業主との工事契約で竣工日が決まっておりますので,安易に工事を延ばす訳には参りません。

しかし,スーパーゼネコン等大手の建設会社は事業主に工事中の現場の現状を良く説明し,約2~3ヶ月ほど工期延長を承認してもらっているそうです。事業主も購入者に同様の説明をして,住戸の引渡し日の延期承認の御願いを致しているとの事です。

今回の大地震や度々起こる余震の状況下で,建設工事がスムーズに進行するとは思えません。

特に,建物の構造躯体のコンクリート打設前に地震等が起こりますと型枠( コンクリートを流し込む鋳型になるもので,通常は木材製でコンクリートが固まると取り外すもの。)の位置や適正配置された鉄筋の位置のズレや歪みが生じてしまいます。その為に型枠や鉄筋配筋の修正工事が発生致します。この修正工事は結構厄介で時間がかかる工事です。当初予定していました「 生コン工場 」で生産される「 レディーミクストコンクリート( 通称:生コン ) 」の現場搬入時期を変更し延期しなければならないのです。

「 生コン 」の搬入予定日を一旦キャンセル致しますと,なかなか次の搬入予定日が決まらないのが実情です。そうしますと構造躯体工事の工程がかなり遅れます。

また,構造躯体工事の後の仕上げ工事等の建築資材の搬入も製作や運送に手間取りかなり遅れています。

建設工事の工程は,建設現場事務所内の壁に貼ってあります「 総合工程表 」がそこの現場の全ての工事の工程が書いてあり,本来は死守すべき物です。「 総合工程表 」とは建築工事の各種工事や電気設備工事,給排水衛生設備工事等を「 クリティカルパス 」( プロジェクトの完成を遅らせない為の工程の組み合わせのことです。前の工事が終わらないと次に進めない工程を繋いだ工程の事。 )方式で作製されています。ですから,1つの工事工程が遅延致しますとその影響が他の工事工程に波及し,大変な事になってしまうものなのです。

ちなみに,私共設計者は工事監理をする上で,常に現場の実際の進捗状況を見て「 総合工程表 」に書かれている工事工程と合っているかをチェック致します。例えば現場の実際の進捗状況が1週間以上遅れている場合は現場会議で指摘し,どの時点で取り戻すのかを確認し,「 総合工程表 」の修正を指示致します。

しかし,今回のこの様な状況下ではマンションの建設現場は工期を当初の工期より最低でも2~3ヶ月位延長しなければ,良い建物は出来ません。

良いゼネコンは良い建物を完成させる為には事業主を説得して工事期間延長を認めさせています。

逆にあまり評判の良くないゼネコンは,なりふりかまわずに当初の仕様と異なった良くない資材を採用したり,雑な工事を行って工事契約書内に記載された竣工日までに建物を完成させますので要注意なのです。

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