「 免震・制振 」構造も良いが,中層で「 しっかり 」とした作りの方が安心

今回の「 東日本大震災 」により首都圏地域では地震の元となる歪みが刺激され,10年以内に首都圏地域で大きな地震が起きるのでは…と心配をしています。

先日,朝日新聞4月17日朝刊の2面には今後震度6~7程度の地震が「 東日本大震災 」の震源地より北,西,東に起きる可能性が高いと詳しく書いてありました。またあるメディアでは今後の地震は「 東日本大震災 」の余震では無く,新たな地震であるので注意を促しておりました。

未だに首都圏で「 東日本大震災 」の余震が続いております。震度3位の揺れはさほど被害は少ないですが,もし新たな「 首都圏直下型 」地震がきましたら大変です。震度6~7の地震となると揺れはかなり大きくなり被害は甚大です。

もはや,今後のマンションを選ぶ時の基準は建物の構造の地震対策を重視すべきだと思います。今回の「 東日本大震災 」被災地のマンションは通常の「 耐震構造 」でしたが1件も倒壊しなかったのは幸いでした。倒壊は致しませんでしたが,外壁等に大きな亀裂が発生したマンションが有った様です。「 阪神淡路大震災 」の時はかなりのマンションが倒壊したのを見た記憶があります。倒壊したマンションは殆ど1981年6月に施行された「新耐震基準 」を遵守していない,1981年6月以前に確認申請を取得されたマンションでした。それを見分ける方法は,鉄筋コンクリート柱の主筋( 縦の鉄筋 )の変形を少なくする為に,主筋外側をフープという鉄筋で巻いていますが,旧耐震基準ではそれが30センチ間隔でしたが,新耐震基準では10センチ間隔なので直ぐ判りました。

この処,7~8年前頃から分譲マンションは通常の「 耐震構造 」に加えて「 免震構造 」や「 制震構造 」を採用する超高層マンション( タワーマンション )や大規模マンションが増えているのも,地震への不安があったからだと思います。

特にタワーマンションでは「 免震構造 」も「 制震構造 」も,大きな地震時に建物への被害を小さく抑える効果が期待されていますが,仕組みはそれぞれ違います。今回は大雑把に「 免震構造 」「 制震構造 」の御説明を致します。

まず「 免震構造 」は,地盤下の基礎と建物の間に「 アイソレーター 」という免震装置を設置します。板状のゴムと鉄板を何枚も重ねて出来た「 アイソレーター 」は,地震の揺れが建物に伝わらないように働きます。いってみれば,地震で揺れた地盤の振動が建物にその振動が伝わらない様にカットする仕組みです。

一方「 制震構造 」は建物内の要所要所の壁に,揺れを吸収する制震装置を設置しています。壁の中に大きなX印を描いたような形の「 オイルダンパー 」( 制振装置 )が設置されているのが「 制震構造 」の代表的なものです。こちらは,入ってきた揺れや振動を建物の何ヶ所かの壁内の「 オイルダンパー 」で吸収し,建物自体の揺れや振動を小さくする仕組みのものです。

しかし「 免震構造 」も「 制震構造 」も,設置コストが高いのが問題です。3月11日の首都圏での震度5強の地震では結構,効果が有った様なのでコスト高も止むを得ないとは思いますが,もう少しコストを抑えて欲しいものです。

先程も申し上げた様に「 阪神淡路大震災 」では「 免震構造 」「 制震構造 」でなくても,1981年以降の新耐震基準を遵守した建物だけは倒壊しませんでした。つまり,現在施行の耐震基準を遵守して「 しっかり 」とした構造で作られていれば建物自体が倒壊するようなことはないのではないか,と私は思います。

タワーマンションで多く採用されています免震装置や制震装置は,ある学者は約30年程度で機能が維持できなくなると言っているそうです。特に建物の下に設置された免震用の「 アイソレーター 」を取り替えるのは,おそらく億単位のお金がかかるでしょう。

ならば,購入者はこれらの特殊な装置が無くても大丈夫な中層( 5階建程度 )マンションで「 しっかり 」とした作りのマンションを探す方が将来的にも多額な修繕積立金を使わずに済みます。そして中層であれば揺れや振動も「 免震構造 」「 制震構造 」のタワーマンションよりは少なく安心だと思います。

尚,「 しっかり 」とした構造か否かは建築のプロに依頼して「 構造図 」をチェックしてもらう事をお奨め致します。

私も「 現地同行 」チェックで最近は入念に「 構造図 」をチェックいたしますので,宜しければ御依頼下さい。

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