「 入り巾木 」を知らない設計者や施工者が…。

私は現在,2月初旬から中古マンションを購入された方より,リフォームのコンサルティングと工事監理の依頼をされまして,度々現場に行っております。

リフォームを請け負った会社はリフォーム業界でも大手の会社です。この会社の選定は依頼主がリフォーム工事内容を決め3社の競争入札を致しました。結果は2位でしたが内容が良いのでこの会社に決まりました。

人柄の良い設計者が営業を兼任していまして,その方と依頼者,私と打ち合わせをして工事契約金額内での遣り取りを行い依頼者の承認を受けた後に工事に着手致しました。

前置きはこのくらいにして本題に入ります。

先日,リフォーム内容の大きな工事として中和室を中洋室に変更する件でのびっくりしました事を具体的にお話致します。

和室から洋室への変更ですので出入口の扉は既存の襖から新しい木製引戸になります。それに伴って扉枠,敷居等を新規製作致します。

私は扉の縦枠,横枠にはプラスターボード( PB )を差し込む溝を彫ってある事を確認しました処,設計者も現場監督も製作工場にその様な指示はしていませんとの回答でした。
直ぐに製作工場に溝彫りを指示する様に設計者に伝えました。

通常,木製枠とPBが接する箇所には,PBを差し込む溝を彫り,3ミリ程度木製枠にPBを呑み込ませるのです。その様に致しませんと木製枠にただPBをぶつけただけですと木製枠が乾燥して痩せた時にPBとの間に隙間が生じます。

その後,現場監督が巾木も「 入り巾木 」( いりはばき )にするのですか…と質問をしてきまして,私はこのマンションの住戸内はどこも「 入り巾木 」では無いので中洋室のみ「 入り巾木 」にすると変ですよ…と回答致しました。

すかさず,設計者と現場監督が扉枠等のみPBの差し込み溝を彫るのであれば「 入り巾木 」にしないと碓井さんの言う事が矛盾しています…と言ってきましたのには唖然と致しました。

どうも話しが噛み合っていないので良く聞きただしましたら,彼等の言っている「 入り巾木 」とは巾木の上端に溝を彫りPBを差し込む物でしたのでその場で「 入り巾木 」を携帯電話で検索して下さい…と私は申し上げました。

設計者と現場監督が携帯電話でグーグルのサイトを出し「 入り巾木 」を検索し説明文を読んで驚いていました。彼等は本当の「 入り巾木 」を知らなかったのです。

「 入り巾木 」とは簡単に説明致しますと, 壁面より引っ込んで巾木を収めた物です。
かなり高級な住宅やマンションにたまに採用される物です。
「 入り巾木 」ですと巾木が壁より出っ張っていませんのでタンス等が壁にぴったりと収まります。

住宅やマンションの99%は「 出巾木 」( ではばき )を採用しています。
「 出巾木 」とは壁面より巾木の面が約6ミリ程度出て取り付ける巾木の事です。簡易で一般的な収まりです。

大手といわれているリフォーム会社の40才前後の設計者や現場監督が「 入り巾木 」
を知らない事に私は驚いてしまいました。

今回のリフォーム工事では他にもこの様な「 建築のイロハ 」を中堅の設計者や現場監督
が知らない事が多々有り,設計事務所,建設会社やリフォーム会社が研修や人材育成を行う
事が必要不可欠だと思いました。

連載コラム

特集

もっと見る