フローリングの目地で施工精度が判る

現在,3月末引渡しの新築マンションは「 内覧会 」の真最中の時期です。

そこで今回は「 内覧会 」チェックを購入者御自身のみで行い,専門家に同行を依頼せずに工事の良し悪しが一番良く判る箇所を1点だけ具体的にお話致します。

それはフローリングの目地の流れと間仕切り壁等の下に設置されている巾木( はばき )下端の線を注視する事です。

現在のマンションの住戸内に貼ってあるフローリング材は工場で生産され,ほとんどが厚さ12.5ミリのベニアの表面に木目模様を印刷したオレフィン紙を貼り,幅10センチ~15センチ間隔で目地の凹みを付け,裏面にはスポンジ状のゴムが遮音対策で貼り付けてあるものです。この工場生産のフローリングの大きさは長さ1.8メートル,幅30センチでこの大きさのものをマンションの住戸の床に並べて貼っています。

フローリングの貼り方は各部屋や廊下等の長手方向に並行に目地を通すのが常識です。ですので,例えば洋室-1に入って,まずフローリングの目地の流れが洋室-1の長手方向の壁にキチンと並行になっているかが施工精度の良し悪しですのでチェックして下さい。

このチェックの仕方は簡単です。具体的に申し上げれば,コンベックス( 巻尺・まきじゃく )のメジャー部分の先端を間仕切り壁下の巾木に当て,フローリングの中の1本の目地を選びそこまでの離隔寸法を3ヶ所位測ります。測定箇所は長手方向の壁の両端部と中央部付近が良いと思います。

建設会社の施工精度が良ければ3ヶ所ともほぼ同じ寸法です。施工精度が悪いと間仕切り壁下の巾木から,フローリング目地まで測定した3箇所の離隔寸法が約3ミリ~7ミリ程度異なります。

「 国土交通省 」監修の「 建築工事共通仕様書 」では,施工精度は3/1000以内と謳っています。すなわち長さ1メートルで3ミリ以内の誤差は許容範囲内であると言うことです。尚,法文化していませんのでこの件についての法的拘束力は有りません。しかし,私は施工誤差の寸法は常識的には5/1000以内位が許容範囲だと思います。1メートルの長さで5ミリ以内という事です。建築工事は手作りなので,工場生産品と異なり,完全な垂直,水平や直角に工事は出来ません。

そこで,例えば先程の洋室-1の長手方向の壁の長さが3メートルだと致しますと,壁両端の巾木面からフローリングの目地までの離隔寸法の違いが9ミリ以内であれば良い施工なのです。

廊下等は長いので2メートルごとに計測し,巾木面からの離隔寸法の違いが6ミリ以内であれば良い施工になります。

もし上記の場合に施工誤差の寸法が5/1000を越えていましたら,その間仕切壁はかなり斜めの方向に立てられていますので,是正指摘をして修正工事をしてもらいましょう。そうしませんと部屋の入隅( 建物の壁面や部材等の,二つの面が接してできる部分の角の内側の事。外側は出隅という。 )に,机やタンス等を置いた場合,交わっている壁が直角でなく鈍角か鋭角ですと,どちらかにバチ( 並行でない )状の隙間が開いて見苦しくなります。

またはフローリングの目地の流れと巾木が直角にぶつかっている所は,フローリングの目地が巾木にキチンと直角に当たっていれば合格です。

しかし,フローリングの水平面の高さの施工誤差は絶対に3/1000以内に押さえるべきだと私は思います。フローリングの水平面の高さの施工誤差が5/1000位ですと許容範囲内ではないと私は判定致します。フローリング部分の長さが4メートルで高さが両端で2センチも上或いは下になっていては購入者が入居後家具を置いたら若干傾いてしまいます。

この測定は内覧会に同行してくれたゼネコンの方に水準器を借りてチェック致しましょう。フローリングの上に水準器を置き,水準器の中に黄色い水と空気の泡状のものが入っており,その泡が水準器の水平チェックをする穴から見てほぼ真ん中に来ていれば合格です。

上記のチェックは「 内覧会同行 」チェックの専門家が行う最低限のチェックです。

ちなみに,施工に自信の有るゼネコンは,住戸内廊下のフローリングの目地と廊下両脇の洋室のフローリングの目地の方向が同じであれば,洋室出入口扉の枠下に「 沓摺り 」(くつずり-出入口扉の下枠 )を設置致しません。床の仕上げ材が同じフローリングであれば洋室出入口扉を開いた時に出入口扉枠の下に「 沓摺り 」が無い方が住戸が広く感じますので快適な空間になるのです。この件はモデルルームでも検証できます。良く観察してゼネコンの施工精度の良し悪しの判断にもなります。

今回の「 内覧会 」チェックは建築に疎い方でも簡単にチェックできるほんの一例ですが,何千万円もの高い買い物をしたのですから「 内覧会 」は専門家に同行チェックを依頼される事をお奨め致します。

私も「 内覧会 」同行チェックを行っていますが,戴く料金はマンション購入価格の3/
1000程度です。それで安心できるのであれば,その方が良いのではないかと思います。宜しければ,私に御依頼下さい。私自身がチェックを行いその後の折衝も行います。御依頼は下記のURLから御願い致します。

http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/

連載コラム

特集

もっと見る