2011年のマンションに期待する物は…。

新年明けましておめでとうございます。本年も「 良識あるマンション指南 」の御笑読並びに「 購入相談 」「 現地同行チェック 」や「 内覧会同行チェック」の御依頼をよろしくお願い申し上げます。

さて,2011年に私がマンションに期待している物は住戸内の「 温度のバリアフリー 」化です。

ちなみに,以前このコラムで住戸内の「 温度のバリアフリー 」化の説明及び推進のお願いを書きましたが一向に実現致しませんので,2011年は多くのファミリーマンションが「 温度のバリアフリー 」化される事を願って再度このコラムで書かせていただきます。

欧米のコンドミニアム( 分譲マンション )やアパートは暖房ではほとんどが「 温度のバリアフリー 」化をしています。更に高級コンドミニアムや高級アパートでは冷暖房での「 温度のバリアフリー 」化をしています。

日本でも,最近戸建では結構「 温度のバリアフリー 」化をしている住宅が見受けられます。2年程前に財閥系のデベが高級マンションで「 温度のバリアフリー 」化をした物件が有りましたが,販売価格が高く「 温度のバリアフリー 」化があまり評価されずに,竣工後に数戸「 完成在庫 」が残りました。その後はマンションでの「 温度のバリアフリー 」化は「 億ション 」物件のわずかに採用されているのが現状です。

ここで住戸内の「 温度のバリアフリー 」とは何かを御説明いたします。

一言で言えば住戸内のどこでも,同じ温度が保たれている事です。住戸内セントラル冷暖房空調システムの事です。細かく説明致しますと玄関,廊下,リビング・ダイニング( LD ),キッチン,各居室,洗面所やトイレ等の温度を同じ様になる設定をしている事なのです。最近の住戸内セントラル冷暖房空調システムでは各居室は個別に温度設定可能な様になっている物も有ります。

この住戸内セントラル冷暖房空調システムはどの様になっているかを大雑把に説明致します。まず24時間換気用の吸気と排気の機械,それに熱交換機と1台の大容量の冷暖房機が設置されています。これらの機器によりランニングコストを下げ住戸内の「 温度のバリアフリー 」化をしています。イニシャルコストは住戸専有面積約80平米で通常の24時間換気システムより,1住戸当たり材料と工賃合計で約200万円程工事費が高くなります。原価である工事費が1住戸当たり約200万円高くなりますと,1住戸の販売価格では約300万円弱高くなります。

原価であるイニシャルコストが1住戸当たり約200万円上がりそれで1住戸の販売価格が約300万円程度高くなるのですが,通常のファミリーマンションでは24時間換気システムだけで,入居後各居室に冷暖房機を設置しなければなりません。標準の3LDKで冷暖房機は4台必要です。LDは10帖以上有りますので冷暖房機は大容量の物が必要です。

あとの3居室は通常の容量の冷暖房機を設置する事になります。これら4台の冷暖房機の設置費用は安く見積もっても,機器代と工賃で約100万円程かかります。約200万円の差でしたら, 「 温度のバリアフリー 」化をした,住戸内セントラル冷暖房空調システムが設置されているマンションの販売価格が約300万円高くても,入居後冷暖房機を設置すると約100万円かかり差額は約200万円です。これから一生住む事を考えたら約200万円高くても快適な生活ができる方が良いのではないかと私は思います。

戸建で住戸内セントラル冷暖房空調システムを使用している方にランニングコストの一ヶ月当たりの電気代を聞きましたら、夏・冬で約1万円強高くなり、春・秋は約5千円弱高くなるそうです。

更に,通常の24時間換気システムですと,排気のみ機械換気ですので各居室の外壁側の壁に設置してある吸気口より新鮮空気を取り入れ,各室の扉下の隙間から廊下を通って,洗面室天井に設置されている排気口で吸い取り,汚い冷暖房された温度の空気をそのまま排出し,2時間に1回住戸内の空気を全て入れ替えているものなのです。

この方式ですと,例えば冬場は外壁側の壁に設置されている吸気口より,冷たい新鮮な外気が入り,暖房された暖かい汚い空気はそのまま外部へ放出されてしまい「 エコロジー 」に反します。

そこで,先程申し上げた,24時間換気用の吸気と排気の機械,それに熱交換機と1台の大容量の冷暖房機が設置されている「 温度のバリアフリー 」化された住戸は少ないランニングコストで快適な生活ができるのです。

すなわち, 冬場は居室天井上の外壁や大梁に設置されている吸気口より,冷たい外気を取り入れ,ダクトで熱交換器へつなぎ,排気する暖房された暖かい汚い空気と熱交換をし,暖かくなった新鮮空気を1台の大容量の冷暖房機で更に暖め,個々のダクトで住戸内の玄関,廊下,LD,キッチン,各居室,洗面所やトイレ等の天井給気口へ送り,そこから新鮮な暖かい空気を供給致します。この様な仕組みになっていますので住戸内のどこでも温度が同じなのです。

そして,排気も住戸内の廊下,LD,キッチン,各居室,洗面所やトイレ等の天井に排気口が設置されており,そこからダクトで熱交換器を通り吸気された冷たい外気を暖めて,住戸内の汚い空気を外部に放出する様になっています。

この「 温度のバリアフリー 」化をファミリーマンションでもどんどん採用すれば,大量生産されて機器の価格も下がり,もっとイニシャルコストが下がると期待しています。

私自身,最近真夜中にトイレに行く事が多くなり,暖かい寝室を出て寒い廊下を歩き,寒いトイレに行くのはとても辛いです。冬場,高齢の方は夜中にトイレに行く時に暖かい寝室から出て,寒い廊下を歩いている時に倒れるケースが多いそうです。

2011年のマンションは「 高齢化対策 」の一環として「 温度のバリアフリー 」化を積極的に取り入れて欲しいと願っています。

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