2010年のマンション業界を振り返ると…。

今回は2010年も,もうあと4日になりましたので,私の独断と偏見で今年のマンション業界を振り返ってみます。

まず,大手デベロッパーの「 勝ち組 」「 負け組 」が如実に鮮明になった事です。

「 勝ち組 」デベの筆頭は財閥系では無く金融系の超大手デベロッパーB社でした。
この金融系の超大手デベロッパーB社はマンション用地持込営業で有名なゼネコンA社と組んで総戸数が多い大規模の物件を2~3ヶ月で完売させてしまうという偉業を成し遂げたのです。

このB社の優れた所は設計・施工を請けたゼネコンA社の設計基準書通りにはさせなかった事です。一例を申し上げますと,ゼネコンA社の設計基準書では「 直床 」「 二重天井 」ですが,B社はその件に関しては一歩もゆずらずに「 二重床 」「 二重天井 」仕様にさせました。

この事だけをとって見てもゼネコンA社に「 二重床 」「 二重天井 」仕様を承諾させたB社のエネルギーは大変だったと推測致します。私の過去の経験でこのゼネコンA社への「 設計監修業務 」は大変苦労致した記憶が有ります。

通常,他のデベはこのゼネコンA社に設計・施工を依頼する時はマンション用地を持込んでもらった弱みで,ゼネコンA社の超経済設計( 見えない所の仕様を下げる事 )になっている設計基準書仕様を押し付けられ承諾致します。

さすがにB社の技術屋さん,今回はゼネコンA社の標準仕様では売れないと判断し,強硬にB社の標準仕様での契約を迫ったと聞いております。それでも,B社の標準仕様になっている箇所は少しでほとんどがゼネコンA社の標準仕様だそうです。

私のような建築設計者の視点からチェック致しますと,この総戸数が多い大規模物件の仕様や構造等は特に評価できる所はわずかなので,あまり良い評価はしておりません。この物件と同じ様な立地条件で同様な販売坪単価の物件で,もっと良い物件が有りましたのでその物件の方を褒めてあげたいと思っています。

この物件,B社の技術屋さんがゼネコンA社との取り組み方が強引で良い物件になったと私は評価致しています。

しかし,2010年で実需向け( 購入者が実際に住む事 )の結構良い物件を供給した準大手デベや中堅デベの物件は話題にもならずに,可哀相でした。中堅デベでも主に投資用のマンションを供給していた会社は数社「 ドボン 」し,淘汰されたのはマンション業界にとっては良かったのではと思っています。

2011年に売り出されるマンションは2010年よりも販売坪単価が割安になると,不動産研究家は言っています。その様になる事を祈っています。

2010年,このコラムを読んで戴いて有難うございます。2011年もこのコラムを書き続けるつもりですので御支援の程よろしく御願い申し上げます。

皆様,良いお年をお迎え下さい。

連載コラム

特集

もっと見る