「 ごった煮マンション 」とは…。

今回は不動産業界や設計及び建築業界等で年配の方が使われる用語で「 ごった煮マンション 」という言葉が有りますので,その御説明をいたします。

「 ごった煮マンション 」とは,いろいろな材料を混ぜ入れて煮た料理と同様に1つのマンションに色々な階層( 界層 )の方が,住める( 購入できる )様な商品企画( 設計 )をしている物件の事です。

具体的に申し上げれば「 ごった煮マンション 」は1棟の中に独身向けワンルームタイプと主にディンクス向け1LDKタイプからファミリー向けの2LDKタイプ,3LDKタイプや4LDKタイプ等の住戸が下階から上階に向けて配置してあるものなのです。

この「 ごった煮マンション 」の住戸価格は低層階のワンルームタイプですと約2000万円位で最上層付近の4LDKタイプの価格は1億円超になっているケースが多いのです。

最近,首都圏23区のタワーマンションは「 ごった煮マンション 」になっているものが増えています。

大雑把に申し上げますと「 ごった煮マンション 」は住戸専有面積の広さや価格の幅が広すぎまして,購入者の階層が揃っていないマンションなのです。ここで申し上げている階層とは,職業・学歴・収入・財産・年齢がほぼ同じなのが,一つの階層の事です。

一棟のマンションの中に億ションと大衆向けファミリータイプや投資用ワンルームタイプ等が混在しているようなマンションは,価値観や生活習慣,所得水準の違いなどからトラブルが発生しやすく,コミュニティ形成に支障をきたすケースが多いと,ある文献では警鐘を鳴らしています。更にその文献には,求める管理サービスの品質や内容も異なるため,管理組合の運営や意思決定も難しくなり議案がなかなかまとまらないと書かれておりました。

特に小さなお子さんのいらっしゃる方は要注意です。投資用ワンルームタイプ住戸は購入者は住まずに借家人を探し,借家人の調査もせずに貸す場合が有ります。たまに借家人が「 コワーイお兄さん 」の場合がありますので,その様な人と同じエレベーターに乗り合わせたら,小さなお子さんは怖がってしまいます。

私の経験で最もマイったケースを御紹介致します。

昔,六本木で1敷地の中に高級なファミリーマンションとワンルームマンションを別棟で配棟し,1階の廊下で繋ぎオートロック付きエントランスは1ヶ所にして出入りできる様にした物件で起こった事でした。

言い訳になりますが,当時私は高級なファミリーマンションとワンルームマンションは別棟なのでオートロックが付いていてもエントランスは分けて2ヶ所の方が良いとの提案を致しましたが,管理人が2倍必要だからと言われて却下されました。

その結果,私の心配が図星になり,ワンルーム購入者が「 コワーイお兄さん 」に貸し,競馬の「 ノミ屋 」( 私設馬券屋 )を開設したのです。その「 ノミ屋 」に出入りする「 コワーイお兄さん 」達が1ヶ所しか無いオートロック付きエントランスを堂々と入出館致しまして,管理人も注意できず他の多くの購入者より売主に苦情が沢山寄せられた事がありました。

そのワンルームの持ち主は地方の方で「 仲介者に任せていますので,仲介者に言って下さい。」と逃げられてしまいました。結局,仲介者と売主でその借り手が違法な「 ノミ屋 」を経営していましたので,警察に通報し,検挙してもらい事無きを得ました。

この件は「 ごった煮マンション 」でも極端な事例ですが,有りうる事です。

逆に「 ごった煮マンション 」は子供の社会性を育むのには良いと言う人が居ます。理由は子供の頃に色々な階層の方々と付き合うのは良い事だと言う事です。

一理有りますが,私はその説には賛成しかねます。

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