「 サイレントボイドスラブ 」について

今回はこの処,良心的な事業主( 売主 )の新規分譲マンションで採用されている「 サイレントボイドスラブ 」について御説明致します。

まず「 サイレントボイドスラブ 」とは如何なるものかをお話致しましょう。

簡単に申し上げますと「 サイレントボイドスラブ 」は通常の「 ボイドスラブ 」より遮音性を高くしたスラブ( コンクリート床版 )です。

では「 ボイドスラブ 」とは何かの御説明を致します。「 ボイドスラブ 」とは別名「 中空スラブ 」とも呼ばれていまして,厚さ25センチ~30センチ位のスラブの中に断面形状が矩形や円の中空パイプを入れてコンクリートを打ったスラブです。

重量が軽くなり,理論上は小梁が無くても版振動を起さずに遮音性が高くマンション等に向いたものといわれています。特に小梁が無いとスラブ下が平らになり,間仕切り壁の可変性に対応できるとも言われています。

「 ボイドスラブ 」に関しては約6年前にこのコラムの21号「 スラブ厚さ20センチでも小梁は必要 」の中で御説明しております。URLは以下です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/21

しかし,理論上は良い事だらけの「 ボイドスラブ 」ですが,コラム21号でも私が書いている様に,矩形状や円状の中空パイプを入れた「 ボイドスラブ 」は実際には遮音性が期待できずアチコチで上階の音が聞えるとのクレームがでたのです。

上階の騒音には2種類有ります。軽量衝撃音( LL値 )と重量衝撃音( LH値 )です。
軽量衝撃音とはスプーンを落とした音や椅子を引きずる音で,重量衝撃音は子供が椅子等から飛び降りた時等の「 ドスン 」という音です。

特に「 ボイドスラブ 」は軽量衝撃音の遮音性は「 マアマア 」良いのですが,重量衝撃音の遮音性が「 イマイチ 」なので各ゼネコンの技術研究所が改良を重ねてまいりました。

例えば,スラブの中に入れる矩形状や円状の中空パイプを止めて,代わりにボール状や円筒状の発泡スチロールを入れた「 ボイドスラブ 」にし,重量衝撃音の遮音性を上げたのですが遮音性は若干程度しか上がりませんでした。

そして,更に研究を重ね,あるゼネコンが「 サイレントボイドスラブ 」を開発したのです。
この「 サイレントボイドスラブ 」はスラブ内にボール状や円筒状の発泡スチロールを入れるのでは無く,断面の形態が凹状で上部が波状になった発泡スチロールを並べて入れたものです。

この「 サイレントボイドスラブ 」ですと,上階の重量衝撃音や軽量衝撃音の遮音性が以前の「 ボイドスラブ 」よりもかなり高まったそうです。

但し二重床仕様の場合スラブの遮音性が上がりましても,二重床の構造仕様に依っても遮音性は左右されます。「 サイレントボイドスラブ 」ですから上階の遮音性は万全とは言えない場合が有りますので注意して下さい。

しかし,私は「 サイレントボイドスラブ 」はマンションのスラブの遮音性を一段と高めた功績は大きいと思います。

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