中古マンション購入のチェックには…。

先日,中古マンション「 現地同行チェック 」依頼での困ったお話を致します。

その中古マンション「 現地同行チェック 」依頼者の方はかなり高齢者の方で,私と仲介会社の担当者と事前打ち合わせをして欲しいとの要請が有りました。

早速,依頼者の方に電話を致しまして,仲介会社の担当者の氏名と電話番号を聞き連絡を取りました。その仲介会社は超大手デベの販売会社でした。

私の中古マンションの「 現地同行チェック 」は新規分譲マンションの「 現地同行チェック 」と同様に「 設計図書一式 」が必要なのでその事を仲介会社の担当者に電話で申し伝え,現地に保管して有るかを確認する様に御願い致しました。

理由は「 設計図書一式 」が有りませんと,私のチェックリストに記入し,合計点を算出して「 秀,優,良,可,不可 」の判定が完全にできないからなのです。

電話に出ました仲介会社の担当者は若い女性でしたので,丁寧に「 設計図書一式 」の内容を具体的に説明致し用意する様に申し伝えました。

ここで皆様にも「 設計図書一式 」とは何かを御説明致します。「 設計図書一式 」とは「意匠図一式 」「 構造図一式 」「 電気設備図一式 」「 給排水衛生設備図一式 」「 空調換気設備図一式 」全てです。

仲介会社の担当者に,上記の図面を「 現地同行チェック 」を行う日までに用意し,当該マンションの管理人室か集会室で閲覧できる様に手配をする様に電話で御願い致しました。

3時間後位に仲介会社の担当者から電話が有り,当該マンションの管理人室に「 竣工図 」が有る事を確認しましたとの回答をしてきましたのでその時は安心致しました。

ちなみに「 竣工図 」とは工事中に発生した設計変更等を設計図面上で修正して竣工した建物を正確に表した「 設計図書一式 」のことです。

数日後,当該中古マンションの「 現地同行チェック 」におもむき,管理人室のテーブルに用意してありました図面を見て愕然と致しました。

「 竣工図 」は入居者に貸し出し中でそこには無く,テーブルの上に置いてありましたのは工事中に使用した「 施工図 」( 設計図書を基に施工する為に必要な材質,形状,寸法表示した詳細な図面 )の中の「 給排水衛生設備図 」の一部分を製本したものと「 電気設備図 」の中の一部分を製本したものだけでした。

私は仲介会社の担当者に「 以前電話で私が言いました図面がほとんど無いですね。 」と言いましたら「 これらの図面が有れば良いと思い,厳密には確認していません。」との回答でこの仲介者の信頼性を疑いました。

そこに「 意匠図 」一式「 構造図 」一式や「 空調設備図 」一式が無かったので,私は仲介会社の担当者に『 「 意匠図 」や「 構造図 」等はここには無いですが,通常は管理会社にも有りますから直ぐに借りてきて下さい。 』と依頼しました。

その仲介会社の担当者は「 宅地建物取引主任者 」の有資格者であるのにもかかわらず『 ところで「 意匠図 」って何ですか? 』と私に聞いてきたのには驚きました。

もう,私はこの仲介会社の担当者と話しをして無駄だと思い,何故先日の電話の時にその事を聞いてくれなかったのかを悔やみました。

この遣り取りを聞いていました,高齢の依頼者の代理でこられた御子息は怒り心頭で『 碓井さんとの事前打ち合わせ通りに「 図面集一式 」を用意してくれなかったのですか?また御社は大手の販売会社なのに仲介担当者が「 意匠図 」というものを知らないのですか?社員教育を行なっていないのですか?これで物件価格の3%プラス6万円( 100万円強 )の仲介手数料を請求するのですか? 』と仲介担当者に詰め寄りました。

依頼者の御子息は更に『 直ぐにこのマンションの管理会社に行って「 設計図書一式 」を借りてきて下さい。 』とその仲介担当者に依頼しました。

1時間弱の後,さきほどの仲介担当者は「 竣工図 」のCD-ROMと「 構造図 」をプリントアウトしたものを持ってきてパソコンは持ってきませんでした。そして管理人室にもパソコンは無かったので「 竣工図 」のCD-ROMは中身を確認出来ませんでした。

これには,私も依頼者の御子息も唖然として沈黙してしまいました。

結局,テーブルに用意してあった図面と仲介担当者が持ってきた図面を基にチェックリストに記入し,分らない所は売主の住戸に行って計測し,何とかチェックリストのチェック項目の全てに書き入れる事ができました。通常の2倍時間がかかりました。

中古マンション購入前には仲介会社に「 設計図書一式 」を用意してもらい,建築のプロにチェックを依頼する事をお奨め致します。新規分譲マンションの購入よりも中古マンション購入の方が図面チェックは重要です。

私でよろしければいつでもお手伝い致します。                   

PS:前回も申し上げましたが月刊「 宝島 」11月号( 9月25日発売 )に私の書いた記事とこのサイトを運営していますアトラクターズ・ラボの「 売主別中古マンション騰落率ランキング表 」が載っていますので,御覧戴ければ幸いです。

連載コラム

特集

もっと見る