「販売図面集」での大事なチェックポイント

私はこのコラムでマンションのクレームで一番多いのは「 音のクレーム 」と何回も申し上げてきました。「 音のクレーム 」は実際に住んでみなければ分らないのです。

今回は, 建築に明るくない方が購入契約前に「 音のクレーム 」が発生し易いマンションの見分け方を簡単に御説明致します。

まず,新規分譲マンションの販売事務所に行き,モデルルーム見学の後,アンケートに書き込み「 販売物件資料一式 」( メインパンフレット,販売図面集一式や価格表等 )を貰って下さい。

「 販売物件資料一式 」の中に「 販売図面集一式 」があります。「 販売図面集一式 」には新規分譲マンションの平面図,立面図,各タイプ住戸プラン,物件概要や仕上げ表等が書いてあります。

ここで, 大型物件で注意して戴きたいのは住戸タイプが多いので,全住戸タイプの住戸プランをくれない場合が有ります。「 販売物件資料一式 」をもらったら「 販売図面集一式 」をチェックし,全住戸タイプの住戸プランが有るかを確認して下さい。

もし,全住戸タイプの住戸プランが無ければ購入予定住戸の上下左右の住戸プランをもらうか,又は販売事務所に置いてある設計図書内の住戸プランのコピーをもらって下さい。

このコラムで耳にタコが出来るほど言っていますが, 「 販売図面集一式 」の中の購入予定住戸プランに上下左右の住戸プランをセロハンテープで貼り付け,自住戸の主寝室の隣や上の住戸の水周り( 浴室,洗面洗濯室,トイレや台所等 )の有無のチェックが基本です。例えば,主寝室の脇に隣戸の浴室が有ればその住戸はパスしましょう。夜中に隣戸のシャワーの音で目が醒めてしまい熟睡できません。

次に大事なチェックは購入予定住戸の住戸プランを隅から隅までじっくりと見て下さい。

まず,住戸と住戸の間に有る「 戸境壁 」を良く見て下さい。柱からつながった鉄筋コンクリート造の壁でしたら遮音性は高いので「 可 」です。

処が柱と「 戸境壁 」がつながって無く縁切りの線が書いてあり,「 戸境壁 」の表示もグレーのみのコンクリート表示では無くグレーの上に斜線が沢山入っているケースがあります。この場合の「 戸境壁 」の仕様は「 乾式工法 」(仕様が軽量鉄骨の間柱と遮音ボード)仕様の壁で鉄筋コンクリート造ではありません。

「 戸境壁 」の仕様が「 乾式工法 」の壁の場合,かなり遮音性が悪いのです。建材試験場等の実験データでは遮音性能を表す「 D値 」が50~55位は出まして合格ですが,建築現場での実際の工事では「 D値 」が50出ないのがほとんどです。遮音性能を表す「 D値 」が50出ない「 戸境壁 」ですと隣の住戸の音がけっこう聞えてきます。

さて,最後に「 戸境壁 」が鉄筋コンクリート造でも遮音性が悪いマンションの見分け方をお教え致しましょう。

住戸プランの「 戸境壁 」の所を良く見て下さい。「 戸境壁 」の線と並行し,図面上で1ミリ弱離れて住戸内側にもう1本線が書いてある場合あります。この線は鉄筋コンクリート造の「 戸境壁 」に直に仕上げのビニールクロスが貼っておらず,「 戸境壁 」のコンクリート表面より住戸内方向に5~7センチ離れてプラスターボードが設置してある事を表現している線です。この仕様のマンションはかなり遮音性が悪いと言われています。スーパーゼネコン各社の技術研究所のデータが物語っています。

更に詳しくお知りになりたい方は,このコラムの14号,15号に詳しく書いてありますのでそちらを御覧下さい。URLは下記です。

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/14

https://s.sumai-surfin.com/columns/category/50/15

何度も申し上げますが,一世一代のマンションと言う高額な買い物ですので,隣戸や上下階の音に悩まされず快適に暮らすには,素人の方でもこの程度のチェックは必要だと思います。

PS:先週発売された「 週刊女性 」9月7号,43ページに私のコラムが1ページ掲載されましたので,御覧戴ければ幸いです。

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