中古マンションの「 耐震補強 」に要注意…。

今回は中古マンションの「 現地同行 」チェックでのお話です。

今回の依頼者はとても中古マンション探しに熱心な方で,仲介業者さんから事前にもらった資料を全て,私宛のメールにPDFで添付して送って下さいました。事前に目を通す事ができ幸いでした。

依頼者のチェック物件は昭和50年代初期の竣工で,築30数年経っていました。立地及び周辺は良好で,アクセスの便も最寄駅より徒歩5分位の申し分の無い場所でした。

通常,私は中古マンションの「 購入相談 」や「 現地同行 」チェックの依頼が有った場合は「 依頼申し込みフォーム 」の中に記入して戴いている,チェック対象物件名を見まして
事前にインターネットで調査し,昭和56年6月施行された「 新耐震基準 」を適用されていない物件はメールにて購入する事をお奨め致しておりません。

ですので,本来ならばこの物件の「 現地同行 」チェックは引き受けていませんでした。

処が,今回の依頼者が送ってくれました,資料の中に「 耐震補強済み 」と書いてありましたので「 現地同行 」チェックを致しました。

現地に行きマンションの外周を見て, 対象住戸内をチェックしてから集会室に行きました。
既に仲介者の方が「 竣工図面 」一式をテーブルの上に用意をしてくれていまして,容易に私のチェックリストに記入ができました。

それから「 耐震補強工事 」の書類をチェック致しましたら愕然としました。

理由は「 耐震補強工事 」を行ったのは,1階のみでした。1階のピロティ部分のみ鉄骨の筋交いを新たに設置していました。オッチョコチョイの私は対象住戸チェック時に耐震補強の筋交いがどこにも無かったのを見落としていました。

私が以前在籍していた7階建ての設計事務所が約20年強前に耐震補強をしました時に,全ての階の広いオフィス空間のアチコチに鉄骨で筋交いを入れたのを覚えておりました。

我家の直ぐ近くの公立小学校,中学校の耐震補強は全ての階の窓側壁の外に鉄骨筋交いを入れていました。

話しを元に戻して御説明致しますと,「 耐震補強工事 」は全ての階を行なわないと,ほとんど効果は無いと思います。

1階だけですと上層階,特に2階が約「 震度4 」強程度の地震で潰れる恐れが有ります。

ちなみに,姉歯事件の後「 耐震偽装 」された物件に住んでいる方から見せて戴いた「 耐震補強工事 」の図面ではマンションの外側周囲に新たに重量鉄骨で格子状にフレームを組み,筋交いを格子の中に入れ各階の柱に重量鉄骨フレームを留めていました。

今回の「 現地同行 」チェックで「 耐震補強工事 」の書類を丹念に精査して助かりました。

結論は「 現地同行 」チェックの中古マンションは「 お奨め致しません 」でした。

中古マンションを購入されようとしている方に御注意をいたします。

まず,昭和56年6月施行の「 新耐震基準 」で確認申請を提出して認可された物件以前の物件は購入対象から外して下さい。マンションですと昭和58年頃竣工した物件は「 新耐震基準 」で構築されていますので大丈夫ですが,それ以前に竣工したマンションは確認申請提出日の確認を絶対に行なって下さい。

昨今,日本中のアチコチで地震が多発しています。自衛の意味でも上記の件は行なう事をお奨め致します。

仲介者の方に確認申請取得日を絶対に調べてもらって下さい。「 宅建免許 」を持っている仲介者なら調査可能ですし,依頼者から言われれば調査しなければなりません。仲介手数料を売買価格の3%プラス6万円も請求するのですから,当然の義務だと私は思います。

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