「 家具配置 」の検証が必要

今回は,これからマンションを購入しようとしている方に「 家具配置 」の検証が必要不可欠である事の御説明を致します。

最近の新規分譲マンションの傾向は住戸の専有面積を狭くし,住戸の価格を下げているのです。

住戸の専有面積を狭くすると,当然各居室も狭くなってきます。例えばオール洋室タイプで専有面積70平米未満の3LDK住戸ではLDKが10帖位で,洋室-1が6帖位,洋室-2が5帖位,洋室-3が4.5帖位というケースが多々見受けられます。

この様な住戸の10帖位の広さのLDKが正方形に近いと食卓セットとリビングセットが接近しすぎてその間を人間が通るには「 蟹の横這い 」状態になる可能性が大きいのです。

また,洋室-1が6帖で部屋内に柱の出っ張り等が有りますと,主寝室としてシングルベッド2台が置けない場合が多いのです。例え2台置けてもベッドのヘッドボードを戸境壁側につけて更に1台のベッドの脇は窓側の壁にぴったりとつけて置く事になります。

2台のベッドを隙間無しに窓側の壁から置きますとベッドメーキング用のスペース( 幅約40センチ )が確保できず,毎朝のベッドメーキングが大変になります。

更に設計の段階で「 家具配置 」の検証をせずに「 マルチメディアコンセント 」( 電源のコンセント,電話回線用のコンセント,パソコンのLANケーブル用のコンセント,テレビ用コンセントをひとつのプレートにしたもの )等を適当に配置しているケースでは,例えば洋室-2に子供のベッドと机を配置しましたら,ベッドのヘッドボード下に「 マルチメディアコンセント 」が有りこのコンセントを使うのは容易ではなくなります。

本来,新規分譲マンションの住戸プランを設計する時は,LDKには食卓セットとリビングセットが余裕を持って置けるように配置を想定して部屋の形状を決めます。そして,洋室-1( 主寝室 )ではシングルベッド2台を想定配置し,ベッド脇と壁が40センチ以上離れてベッドメーキング可能な部屋形状に致します。洋室-2,3もベッドと机を想定配置して部屋の形状を設計致します。そして設計図書の住戸平面詳細図に各々の居室に想定配置した家具を点線で描き込みます。

最近のマンション設計者は上記の作業をしていない様に思われてなりません。

私の「 現地同行 」チェックの時に販売事務所で設計図書の住戸平面詳細図を見ますと想定「 家具配置 」の点線が描かれていない場合がかなり多いのです。

その上,想定「 家具配置 」を行わずに電気設備の「 マルチメディアコンセント 」等を配置しているのですから,その図面からは入居者への配慮が全く伝わってきません。

私の「 購入相談 」では販売図面集の中の依頼者が購入予定の住戸プランの各居室に「 家具配置 」を想定して鉛筆で書き込んでいますが,最近では半数以上の物件がベッドを想定配置しますとベッドに扉が当たったり,机を置くだろう場所近辺に「 マルチメディアコンセント 」が配置されていなかったりするケースが多々見受けられます。

販売図面集の住戸プランの縮尺が1/100や1/50ならば検証し易いのです。この処多いのが販売図面集の住戸プランの縮尺が1/90です。この縮尺ですと計算機片手に「 家具配置 」を想定しながら行いますので大変です。それでも中には良心的なデベの場合は住戸プランが1/90の縮尺ですと,家具(食卓,ソファー,ベッドや机等)を1/90の縮尺で透明のプラスチック板に印刷したものを販売図面集に添付して渡してくれます。それを使って「 家具配置 」の検証ができます。

何度も申し上げますが,マンション購入は一世一代の高額な買い物ですので「 家具配置 」の検証は絶対に行って下さい。

入居してから家具が置けないと不満を言ってもデベは責任を取ってはくれません。

「 家具配置 」の検証は自己防衛です。

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