「一次取得者層向け」と「二次取得者層向け」…。

不動産業界では分譲マンションや建売戸建を初めて購入される方を「一次取得者層」と呼び,既に分譲マンションや建売戸建に住んでいて別の物件に買い替えをされる方を「二次取得者層」と呼んでいます。

今回は分譲マンションの「一次取得者層向け」と「二次取得者層向け」の内容についてのお話を致しましょう…。

通常「一次取得者層向け」のマンションと「二次取得者層向け」のマンションの商品企画や住戸計画等は異なってきます。

処が最近のデベロッパーはマンションの商品企画やプラン作成に参加致しますと往々にして,この「一次取得者層向け」「二次取得者層向け」という言葉が全く出てこないのです。そしてこれらの違いがプランや仕様に反映されていないのです。

私が「設計監修」や「設計コンサルタント」を受託された場合は,まずこのマンションの想定販売坪単価の価格を聞き「一次取得者層向け」にするのか「二次取得者層向け」にするのかを尋ねます。

概ね,新規企画マンションの立地条件と想定販売坪単価に依って想定顧客は「一次取得者層」か「二次取得者層」かが決定致し,それに基づいて計画を進めていきます。

しかし現在,現実にはかなりのマンションで完成在庫住戸を多く抱えています。その様なマンションは計画初期に「一次取得者層向け」か「二次取得者層向け」かの検討を疎かにした結果だと私は感じています。

ではここで「一次取得者層向け」のマンションと「二次取得者層向け」のマンションの計画の違いを大雑把に御説明致しましょう…。

「一次取得者層向け」マンションは住戸の専有面積が約70平方メートル前後で3LDKが基本です。住戸形式は「田の字型」でなるべく住戸内の無駄な廊下等を短くして各部屋(LD,洋室や和室)を広く確保し,帖数表示を大きくしています。

特徴はリビング・ダイニング(LD)に廊下状の部分が多く,LDから洋室,和室や洗面脱衣室に直接出入りできる様にしているケースが多いのです。

私が付き合っている良心的なデベはLDの帖数表示をLD内廊下状の部分を算入せずに実質的にLDとして使えるスペースを計算して販売図面に帖数表示をしています。会社の質が良いのです。

この事は重要な事で販売事務所・モデルルームに行かれた時に絶対に販売員に尋ねるべきです。これに依ってその物件のデベの質が問われます。

次に「二次取得者層向け」マンションは住戸専有面積の広さは平均的に広く,75平方メートル以上が多いのです。私は住戸の専有面積が80平方メートル以上あれば永住できる広さだと思っております。また住戸プランにもコンセプトがしっかりと有ります。

「二次取得者層向け」マンションの一例ですが専有面積が90平方メートルで2LDKにし,個々の部屋にゆとりとプライバシーを持たせて,出入りは廊下からのみにしています。そして「二次取得者層」の方々はかなりの方がクローズドタイプの台所を好まれるのでその様にし,洗面化粧台もツーボウル(2個の洗面器)を好まれますのでその様にプランしているマンションが有り売れ行きも好調でした。

私の経験で現在は想定販売坪単価が約300万円/坪以上でしたら「二次取得者層向け」のマンションとして商品企画をする方が良いと思います。

デベは初心に戻り商品企画時点で「一次取得者層向け」にするのか「二次取得者層向け」にするのかを曖昧にせずに「経験」と「勘」と「度胸」(KKD)ではっきりさせれば,想定顧客の望んでいる住戸プランや共用施設が決定し,もっと売れ行きがよくなるのではないかと思っています。

最近,デベの上層部の方がこの「KKD」に責任を持って実行し,物件の商品企画をすすめていないのが感じられ残念に思います。

このコラム,デベの方々が結構読まれていると多方面から聞きましたので今回はあえてデベに苦言を呈しました。

これからマンションを購入される方にも参考になれば幸いです。

連載コラム

特集

もっと見る