「竣工引渡し後物件」の購入では…。

現在,マンションの「完成在庫住戸」(売れ残り住戸)は首都圏(東京,神奈川,千葉,埼玉)だけで実際は約3万戸以上有ると言われています。

「完成在庫住戸」は「竣工引渡し後物件」です。

我々,建築関係者は不動産業者と違い「完成在庫住戸」を「竣工引渡し後物件」と呼んでいる事もあります。

「竣工引渡し後物件」とはマンションの建設が完成(竣工)後に建設会社(ゼネコン)から発注者(売主)へ建物の所有を引き渡された物件です。

当然,役所や消防署の検査が終了し,検査済証を受理し,克つ売主,設計者,施工者の竣工検査が終了して「問題無し」で,売主がゼネコンから引き渡しを受けた物件です。

さて,最近「竣工引渡し後物件」(完成在庫住戸)を10%から20%程度値引きさせて購入される方が結構いらっしゃるので売買契約の時に注意が必要なのでその事をお話致します。

「完成在庫住戸」は通常「内覧会」チェックを行わせてくれないケースが多々あります。

表向きの理由は,完成済みの住戸をしっかりと見ての購入ですので「内覧会」チェックの必要は無いというのが売主の論理です。

本当の理由は竣工引渡し後,3ヶ月以上経ちますとその物件を施工したゼネコンの人が居ないので,たった1住戸の為に「内覧会」チェックにゼネコンの人を立ち会わせる事が大変面倒で費用がかかる事があるからです。

また,売主の建築担当の人も同様に1住戸の為に「内覧会」チェックに立ち会うのは人件費がかかるので,ほとんど致しません。

ですので, 「完成在庫住戸」を購入する方は売買契約時に入居前に「内覧会」チェックを行う事を購入条件にしないと,入居後に傷や建築的に変な箇所が有っても直ぐには直してくれません。

そして更に「内覧会」チェックの時にはこの建物を施工したゼネコンの現場担当者と,売主の建築担当の人の立会いを書面等で約束させて下さい。

そう致しませんと竣工引渡し後,数ヶ月経ちますと「内覧会」チェックの同行にその建物を施工したゼネコンの人は来ますが,その現場を担当した人は他の現場に行ってしまって来てくれませんので,質問しても曖昧な回答しかせずに「後日回答」になります。時間の無駄になってしまいます。

そして,売主の建築担当が「内覧会」チェックの時に居ませんと,住戸内に変な納まり等が有り販売図面と異なっている所が見つかって修正工事を依頼してもゼネコンの一存では工事ができず,了承できません。

「完成在庫住戸」は「竣工引渡し後物件」ですので所有は完全に売主なのです。売主が承認しなければ勝手にゼネコンが修正工事はできません。

そして修正工事には新たに費用がかかってきますのでその費用負担をどうするかを売主とゼネコンで話し合わなければなりません。

ゼネコンの立場から言えば「完成在庫住戸」は購入者の代わりに売主が検査をし,OKして建物引き渡しをしたのですから,売主にも費用負担して欲しいのが本音です。

「内覧会」チェック無しでの売買契約で入居致しますと何か不具合が有っても,分譲マンションのほとんどは竣工後6ヶ月,1年,2年と3回建物点検があり,最悪そのどこかの時点まで修正工事はしてくれません。

これから「完成在庫住戸」(竣工引渡し後物件)を購入しようとされている方は上記の件を条件に売買契約する事をお奨め致します。

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