日本の超高層マンションは外壁からの漏水や遮音性能の低さが問題。-2

前回に続き今回も超高層マンションの問題点をお話致しましょう。

前回は超高層マンションの構造が純鉄骨造ですとよく揺れますので外壁が軽量気泡コンクリート版(ALC版)ですと版と版の継ぎ目のコーキングが早く疲弊し切れて雨水が漏水し易いと言う事を説明致しました。

今回は超高層マンションの遮音性の低さについてのお話です。

前回御説明致しました様に日本では地盤面からの高さが60メートル以上の建物を超高層建築物と規定して,構造基準や防災基準等が厳しく法制化されています。

現行の構造基準では,超高層建築物の骨組みはほとんどが純鉄骨造(S造)になります。

何故,純鉄骨造にするかといいますと地震が起きても柳の如くしなやかに揺れて,地震のエネルギーを吸収致します。

純鉄骨造は柔らかく,軽く作らなければなりません。その為に外壁はALC版を用い,住戸間の間仕切り壁は軽い「乾式工法」と言う石綿又は石膏押し出し版を両側に2枚設置して間にグラスウールを挟んでいます。

この住戸間の間仕切り壁が鉄筋コンクリートでは無く「乾式工法」の壁を採用しているのが問題点です。「乾式工法」の壁の遮音性能は机上計算ではDr値(遮音性能値,数値が大きい程良い)が50が出ていても,実際の建物では大抵は1ランク低いDr-45になってしまい隣戸のテレビの音や生活音がかすかに聞えてしまうのです。ちなみにDr-50では「ほとんど聞えない」です。

こちらの住戸の寝室の脇が隣戸の浴室であるとかなりシャワーの音が伝わって聞えてきます。熟睡できません。

また,床もデッキプレート(凸凹した鉄板)に鉄筋を組みコンクリートを15センチ~20センチ程度の厚さで流し込んだスラブ(コンクリート床板)です。

このスラブも重量衝撃音の遮音等級(LH値)が良くありません。通常のマンションではスラブの重量衝撃音遮音等級(数値が小さい程良い)LH値は50程度ですが上記の超高層マンションのスラブのLH値は55強になって結構上階の足音が聞えてきます。


超高層マンションを購入する時は外壁からの漏水の件と隣戸間・上下階の音の件を充分確かめてから契約して下さい。


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