外壁の幅について

鉄筋コンクリート造の外壁の幅に関してお話致しましょう。

タワーマンション以外のマンションの住戸の外壁は鉄筋コンクリート造がお奨めです。

この鉄筋コンクリート造の外壁の中に入っている鉄筋の配列は3種類有ります。

一番良いのは「ダブル配筋」(2列配筋)です。コンクリート壁の厚さが16センチ以上になります。

二番目は「ダブル配筋でチドリ配筋」(2列配筋でジグザグ状に配筋)でコンクリート壁厚さが15センチの場合に多いのです。「ダブル配筋」と謳っているマンションはほとんどこのケースです。「チドリ配筋」に関して判り易く説明するのは私の能力では難しいのでここでは省略させていただきます。

三番目は「シングル配筋」(1列配筋)です。コンクリートの厚さは約12~15センチ位です。私はこの配筋の外壁はお奨め致しません。

先日,見ましたマンションの外壁は二番目の鉄筋コンクリート造「ダブル配筋でチドリ配筋」のものでした。外壁の厚さは15センチでした。

リビング・ダイニングルーム(LD)の掃出し窓の脇の和室寄りの壁の幅が狭いので心配になりバルコニーに出て外部からチェックしてみました。

バルコニーに出て外部からLDの窓サッシュと和室の窓サッシュ間の離隔寸法を計りましたら約35センチだったので「唖然」と致しました。

何故「唖然」としたかと言いますとサッシュ間の離隔寸法が約35センチという事はコンクリート壁の幅は約21センチ程度です。

具体的に御説明致しますと,コンクリート壁にサッシュを取り付けるのには幅約7センチの隙間が必要です。コンクリート壁から出っ張った鉄筋にサッシュ枠金物を溶接する為の最小寸法です。

コンクリート壁の両脇にサッシュが有りますと約7センチの2倍の約14センチの隙間が必要です。

ですのでサッシュ間の離隔寸法が約35センチですとその寸法から約14センチを引いた寸法の約21センチがコンクリート壁の幅の寸法です。

コンクリート壁の幅が約21センチですと,通常縦の鉄筋の間隔は20~25センチですので鉄筋にかぶるコンクリート厚さ(最低3センチ)が不足になります。

この物件の場合,構造図の様に配筋致しますと,1列目と2列目の縦の鉄筋が横方向にそれぞれ2本並びません。結局,縦の鉄筋はそれぞれの列で1本になって2列の配筋になると想像致します。

外壁のコンクリート壁の中の縦の鉄筋が2列でもそれぞれの列に1本ではいくら構造壁仕様で無く雑壁仕様といってもクラック(ひび)は入り易いのです。クラックが入ればそこから雨水が住戸内に浸入してきます。

この壁,更に和室側にクーラー用のスリーブ(冷媒管等の貫通穴)が設置してあり,直径約7.5センチの貫通穴まで有ったのです。例え,この貫通穴の開口補強をしても,更に地震等のゆれに対してクラックが入り易くなります。

開口補強とは貫通穴の周りに菱形状に鉄筋を配筋する事です。
ちなみに,通常は直径7.5センチ程度の貫通穴の開口補強は致しません。

外壁が鉄筋コンクリート造「ダブル配筋」であっても注意が必要なのが判っていただけましたでしょうか…?

特に「ダブル配筋でチドリ配筋」の場合,パンフレットには「チドリ配筋」とは謳っていませんので販売員に尋ねる事をお奨め致します。

そして,サッシュとサッシュの間の離隔寸法は最低でも45センチは欲しいところです。

この事は皆様でも販売図面集の中の住戸図面で大雑把にチェックできますので試してみて下さい。

建物は屋根や壁から容易に雨漏りしないのが最低条件です。

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