「かっこいい」マンションの注意点

先日見ましたマンションがとっても「かっこいい」外観でした。
そのマンションの裏側もすっきりした外観でした。

このマンション,建物の配棟が「L字型配棟」で1辺の棟が8階建ての建物,もう1辺の棟が6階建ての建物です。

良く見ましたら,8階建て建物の7階の外廊下の床高さと,6階建て建物の陸屋根(平らな屋根)の高さはほぼ同じ高さです。

そういたしますと,小学生くらいのやんちゃな子供が8階建て建物の7階廊下の手摺をよじ登って越えて,6階建て建物の屋根に行こうとするケースが想定できます。6階建ての建物の屋根には手摺がありませんのでそこへ行くと危険です。

私が約20数年前に設計した「L字型配棟」のマンションで1辺が7階建て建物,もう1辺が5階建て建物の竣工検査の時に売主から注意を受けました。

「碓井さん。7階建て建物の6階外廊下の手摺をよじ登ると5階建て建物の陸屋根に行けますね。これは危ないので何か行けない様な対策をして下さい。」と言われました。

そこで,私は7階建て建物6階外廊下外,5階建て建物の屋根に接している箇所の手摺の上に縦格子を設置しました。縦格子の縦パイプ同士の隙間を10センチ以下にして子供がくぐれない様に致しました。更に縦格子の横幅(長さ)も5階建て建物の屋根の横幅より両側へ約1m長く致しました。
この様にすれば,まず安全ですが建物の裏の外観の一部は「かっこ悪く」なりました。

それを見て売主は「外観の良さより安全性の方が大事です。」と言い「碓井さん。縦格子の幅を屋根幅より両脇へそれぞれ約1m長くして安全度を高めてくれましたね。」と評価して頂き,追加工事代金の請求を承認して払ってくれました。
本来ならば設計配慮不足ですので,ペナルティー扱いになり改修追加工事費は設計者負担になっていましたので助かりました。

それ以来,私は「L字型棟」や「コの字型棟」の設計では上記の事を忘れずに図面に記入し
ています。

建築基準法では外廊下の手摺の高さは1.1m以上と規定しています。最初に申し上げたマンションは手摺の高さが1.2mありましたので法的には設計責任は問われません。しかし, 「L字型棟」や「コの字型棟」のマンションでは子供が低い方の建物の屋根に行けない様にするのが設計者の配慮です。

外廊下の外側に低い建物の屋根が接してあれば,やんちゃな子供はそっちに行ってみたくなるのです。ですので,低い建物の屋根と同じ高さの外廊下の手摺上には遮蔽物を設置するのが子供の行動に対する設計者の配慮ですがマンションの外観の一部が「かっこ悪く」なってしまうのです。

これをチェックするには販売図面集の中の「立面図」をよく見れば分りますが,念の為に小さい御子様がいる方は販売担当者に確認する事をおすすめ致します。

マンションは「かっこよさ」も大切ですが,「安全性」への配慮の方がもっと大切です。


■御知らせ-1:
今年もまた「住宅金融支援機構」(旧住宅金融公庫)よりセミナーの講師の依頼がございました。
5月17日(日)午後1時30分からです。
セミナーのタイトルは「良いマンション 悪いマンションの見分け方!2009~ プロが教えるマンション選びのポイント」です。
参加希望者は以下のページから申し込んで下さい。
http://www.jhf.go.jp/jumap/event/information/seminar_tokyo_090517.html

■御知らせ-2:
『得をするマンションの選び方。-プロが教える77のポイント-』が発売されました。
新書で価格は740円(税込)です。御購入していただければ幸いです。
尚, 最後のページにチェックリストを付けました。チェックリストのチェック項目が多く大変だと思われる方は,私に「購入相談」の依頼お待ちしております。
http://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/index.html#service

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