「出窓」のカーテン位置は…。

最近,分譲しているマンションの住戸は価格を安くする為に3LDKでも専有面積が60m2台のものが増えています。

3LDKで専有面積60m2台ですと各居室がかなり狭くなります。
約10帖前後のリビングダイニングと他の部屋は約6帖の主寝室,6帖の和室と約4.5帖の洋室になっています。

狭い部屋を少しでも広く見せる為に設計者がよく使う手法が通常の窓を「出窓」にする事です。

「出窓」は床から45センチ以上の高さで,ガラス面積が開口部の半分以上あれば,建築基準法では床面積に算入されません。容積率対象床面積に算入されずに部屋を広く見せる事ができるのでディベロッパーも賛同致します。

工事費は通常の窓に比べて若干高くなりますが,同じ6帖の部屋でも「出窓」が設置されているのと,いないのでは空間の広がり感が違います。当然「出窓」が設置されている方が部屋の空間は広く感じます。

さて,先日見ました郊外のマンションのモデルルーム内の5帖の洋室に「出窓」が設置されていました。処が,良く見ますとレースとドレープのカーテンが手前の壁の両脇に束ねられてタッセルバンドで留められていたのです。

私は「唖然」と致しました。これですと昼間,「出窓」の手前でレースのカーテンを閉めますと空間の広がりが無くなってしまうのです。

「出窓」のカーテンはガラス入りのサッシュの直ぐ手前に吊るすのが常識です。そうでなければ空間の広がりを演出できず「出窓」を設置した意味が有りません。

しかし「出窓」内の天井のサッシュの手前にカーテンボックスを設置するのは結構大変なのです。だからと言って,カーテンボックス無しでカーテンレール露出はいただけません。

「出窓」のガラスが前面と両脇に3面有りますと「出窓天井」に設置しますカーテンボックスやカーテンレールの形状の検討が大変重要です。

カーテンの開閉がスムーズに行く様に正面のカーテンレールと両脇のカーテンレールはR状(曲線状)のカーテンレールで接続しなければなりません。そのR状のカーテンレールの形状に合わせてカーテンボックスの形状が決まるのです。

これら細部の設計作業はよほど経験豊富な方でないと上手にできません。ですから経験不足の設計者は先程のモデルルームの様に「出窓」のカーテンを手前の壁の上に直線のカーテンレールを設置して吊るしてしまうのです。こういうところを見ると設計者の技量は判断できます。

再度申し上げますが「出窓」のカーテンは「出窓」の中に吊るし,ガラスの入ったサッシュの直ぐ手前にカーテンボックスを設置するのが正道です。そう致しませんと「出窓」の空間を利用して部屋を広く感じさせる効果が有りません。

モデルルームを見学して「出窓」が有ったらカーテンの位置をチェック致しましょう。


■3月17日発売の『週刊女性』(主婦と生活社)のマンション記事「マンション買っていい人,ダメな人」に私のコメントが載っていますので御覧戴ければ幸いです。

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