「2階の住戸」の選び方

通常,分譲マンションの中で販売坪当たり単価が廉価な住戸は2階の住戸です。

購入検討しているマンションの立地が良く,マンション自体も良いが住戸価格がチョット高価な場合は2階の住戸が狙い目です。
理由はそのマンション全体の平均坪単価より約10%から約20%位安価です。

しかし,2階の住戸の選定はその下の階の1階の平面図を良く見ませんと,後で後悔致します。必ず2階の住戸を購入しようとする場合は下階,1階の平面図を良く見て下さい。

1階には「エントランス」「電気室」「ポンプ室」「駐車場」「自転車置き場」や「駐車場出入口」等が有ります。

私は1階の「エントランス」「電気室」「ポンプ室」「駐車場」「自転車置き場」や「駐車場出入口」の上の2階の住戸は若干価格が安くてもお奨め致しません。

その理由をこれから申し上げます。

まず「エントランス」「駐車場入口」「電気室」や「ポンプ室」の上の住戸は共通点が有り夜中,音が結構気になるからなのです。夜中は周囲の音が静かなので,建物内で音が発生致しますとかなり響きうるさいのです。就寝中に目が覚めてしまう場合が多々有ります。

「エントランス」にはオートロック付きの自動ドアが有り,この自動ドアの開閉音や機械音が夜中は結構うるさいのです。この自動ドアの機械は2階のスラブ(コンクリート床)の下に遮音ゴムを入れて設置してありますが,夜中はこの遮音ゴムの効果は気休めにしか過ぎません。上階の住戸に音が伝わって聞こえるケースがよくあります。

「駐車場入口」には最近はセキュリティー用の車の中から無線で開閉可能な電動シャッターが設置されて,この電動シャッターの開閉音や機械音が上の住戸に伝わってうるさいのです。この電動シャッターの機械も遮音ゴムを入れて2階のスラブの下に設置されています。ここも先程と同様に夜中に車が出入り致しますと,上の2階住戸に結構音が伝わって聞こえてしまうのです。

「電気室」や「ポンプ室」の遮音対策は浮き床工法を採用しています。浮き床工法とは,1階床スラブの上にスタイロフォーム等の遮音材を敷き,その上にまたコンクリートを厚さ12~15センチ位敷き込み,機械の音や振動を躯体に伝えない様にする工法です。
この浮き床の上に防振架台を設置し「トランス」や「ポンプ」を置くのです。さらに「電気室」や「ポンプ室」の壁,天井には厚さ約25ミリ~50ミリ位のグラスウールを貼り付けて遮音対策をしています。

それでも「電気室」内の「トランス」は重低音を発していますので夜中「ブーン」という音が上の2階住戸に伝わってきます。「ポンプ室」内のポンプの音は換気口から外部に出て上に上がりやはり2階住戸で聞こえてきます。

この4箇所はほとんど機械の音がコンクリートに伝わって聞える「固体伝播音」ですが「ポンプ室」の音は更に「空気伝播音」が加わり,ポンプの回転音が換気口から出て直上階では夜中はよく聞こえるケースが多いのです。

私の経験では機械と躯体(コンクリート)の間に充分遮音ゴム等を入れ,「ポンプ室」の換気口には吸音装置を設置ましたが,やはり夜中は周辺が静かなので機械音が上の2階住戸で聞こえてしまうのです。

最後に「駐車場」や「自転車置き場」の上の住戸をお奨めしない訳を御説明致します。

建物内1階の「駐車場」「自転車置き場」の冬場の温度は外部とほぼ同じです。ですので「駐車場」「自転車置き場」の上の2階スラブ下には断熱材を貼っているのですが,それでも2階住戸の床は真冬には結構寒いのです。下階が住戸ですと下階住戸が温めてくれるのですが「駐車場」「自転車置き場」では外部とほぼ同様の温度ですから,1階住戸と同様に寒いのです。

これらの「問題」は後でどう対処する事もできませんので,2階の住戸を購入する場合は上記の事に気を付けて場所を選んで下さい。

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