かなり前より噂の有った「大型倒産」

先週,ついにかなり前から危ないと噂されていた大手ディベロッパー「A社」が東京地裁へ会社更生法の適用を申請しました。簡単に言えば「ドボン」(倒産)したのです。

「火の無い所に煙は立たず」と言われていますが「A社」は急激に拡大路線を突っ走っていたので,かなり前から「倒産」の噂は私の耳に入ってきていました。

「A社」の2007年の首都圏(東京,神奈川,埼玉,千葉)マンション供給ランキングでは2位でした。供給戸数は前年比約50%増の3,500戸弱でした。ちなみに2005年より見ますと約180%増です。

異常な業容拡大戦略をとっていました。

2007年の前年2006年首都圏マンション供給ランキング2位は超大手ディベロッパーの「B社」でしたが,2007年では供給戸数が2,000戸弱で4位に下がっていました。

「A社」の社長は元「B社」の社員で,出身会社より大きくしたかったのかも…と,それが裏目に出てしまったのではないかと思われます。

「A社」は2007年に供給した大量のマンションがかなり売れ残り,2008年に完成在庫住戸として大幅値引きをしましたが,購入者は買い控えその結果「倒産」という悲劇をむかえました。

結局「A社」は大量の「完成在庫住戸」を抱えて販売不振に陥り,建築工事費等が払えず会社更生法の適用を東京地裁に申請した訳です。

このコラムの208号「不動産業界の2008年。」の中で私が『12月末には前々から噂されている某有名ディベロッパーが「ドボン」になる可能性が大きいでしょう…?』と書きましたがこの某有名ディベロッパーが「A社」だったのです。

私の本業はマンションの「設計監修」や「設計コンサルタント」です。ディベロッパーから仕事の依頼を受けていますので,生の情報は結構耳に入ってきます。

2009年に入ってからは「A社」の他にも有名な中堅ディベロッパーの「C社」等,多額の負債を抱えての倒産が相次いでいます。

さて,ここから本題に入ります。

昨年の8月から現在までディベロッパーの大型倒産が約20社あります。(コラム208号参照)

問題はこの20社が設計事務所やゼネコン(建設会社)に設計料や工事費の残代金を払っていない(払えない)事です。

結果としてこの「ドボン」した約20社のディベロッパーのマンションにかかわった,設計事務所やゼネコン等に影響が大きく波及し,それらの会社の資金繰りがかなり危ないのです。

下手をすると設計事務所やゼネコン等も「ドボン」です。もう既に私の知っている中小の設計事務所はかなり倒産致しました。

次はゼネコンの大型倒産のラッシュが予想されます。
私の耳にも3月末まで,もたない危ないゼネコンの名前が聞えてきています。

今,マンションを購入しようとしている方々に御注意を申し上げます。
有名な大手の物件がかなり値引きしてくれたからと言って直ぐに契約はしない方が良いと思います。

購入予定マンションの売主や建設会社の経営状態や株価を徹底的に調べて,良かったら購入してもいいでしょう…。

購入後,ディベロッパーや建設したゼネコンが「ドボン」したマンションのアフター対応はあまり期待できませんし,資産価値は落ちる可能性が有ります。

私は,せめて平成20年度末の3月末までは購入契約を控えた方が賢明かと思います。今回のこの不況で年度末にはかなりのディベロッパーやゼネコンの「倒産」が噂されています。

そして,不動産業界や建設業界に知人が居れば事前に聞いて自己防衛致しましょう。

この両業界に知り合いが居ない方は購入契約前に,不動産・建設会社の情報に強い専門家にお金を払って相談をした方が安全です。

何千万円の買い物をするのですから,その千分の一位のお金を払って相談した方が「ババ」を引かずに済むのと思うのですが…。 

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