マンションの商品企画は本来の姿に…。

最近のマンション業界は昭和55年から昭和60年のマンション不況とバブルがはじけた平成3年から平成6年頃のマンション不況と似ています。

どちらの時期もディベロッパー各社は本来の商品企画を重視するより工事費を如何に安くして分譲するかを追及していました。更に住戸を狭くして住戸価格を安くし,何とか販売していました。ほとんどの3LDK住戸が60m2前後という状況でした。

昭和55年から昭和60年のマンション不況時にディベロッパーで苦労していた中堅社員はもう定年でほとんど退職して居ないと思います。
この時期の苦労が最近の新規マンションでは生かされていません。

特にこの時期に商品企画や住戸プランが良かったマンションは結構即日完売したのです。自画自賛になりますが当時第一線で私が設計した数件のマンションの数種の住戸プランはマンション業界で話題を呼びました。中には即日完売して,沢山のディベロッパーの方々がモデルルームを見学に来ました。

その後バブルがはじけた平成3年から平成6年頃もマンションがほとんど売れずディベロッパー各社は商品企画に苦労していました。

そこでディベロッパー各社は本来の商品企画の専用部分の住戸プランにはほとんど手をつけず「田の字型」住戸プランを配置して共用部分の付加価値で差別化して分譲していました。商品企画の手抜きです。この流れは現在も続いています。

具体的には3~4年しか使われない「キッズルーム」,ほとんど一部の住人しか使わない「フィットネスジム」全く使われていない「パーティールーム」「シアタールーム」両親や友人が来た時に泊まれるホテルの客室の様な「ゲストルーム」眺望の良い「展望ルーム」や「温泉浴場」等多彩な「グリコのオマケ的」共用施設を設置して競合他社と競争していました。

賢い顧客はその様な施設に価値観を見出さず,その建設費が住戸価格に上乗せされて割高になっている事を察知して「グリコのオマケ的」共用施設付きマンションは逆に避けていました。「グリコのオマケ的」共用施設は維持管理費用,メンテナンス費用や固定資産税等がかなりかかり,毎月入居者が支払う「管理費」や「修繕積立金」に含まれている事も賢い客は分って避けていました。

しかし,未だに大規模マンションや超高層マンションではこの傾向が続いているのは残念です。

私はマンションの商品企画を良くする事は,入居者が毎日生活する場所の住戸プランを良くする検討だと思います。分譲マンションの計画の基本は良い住戸プランです。

良い住戸プランを創出する事がマンションの商品企画の本来の姿だと思います。

私の独断と偏見で言わしていただければ「田の字型」住戸プランは30年熟成された超合理的でプランですが生活の潤い等や味わいがほとんど無いと思われます。

この「田の字型」住戸プランを綿密に検討すると違う味わいが生じるのです。
具体的には,このコラムの204号から206号にわたって書きました「私が設計監修したマンション1~3」を再度お読み下さい。

私はこの30年マンションの商品企画の本来の姿は住戸プランの綿密な作成だと思っています,この考え方は現在も変わりません。
如何に楽しく潤いの有る生活ができるかです。

共用施設には管理人室,共用便所,駐車場,駐輪場や集会ができる多目的ルームが有れば充分だと思っています。

ディベロッパーの方々,今この時期がチャンスです。商品企画の本来の姿に戻って今までに無い良い住戸プランを作れば絶対に売れますし,業界で話題になり宣伝効果も大きいのです。

新築の分譲マンションを買いたい潜在顧客はまだまだ居ますので,是非マンション企画の本来の姿に戻って頑張って下さい。

私の知恵が必要であればお手伝い致します。

良い住戸がプランニングできれば購入客もディベロッパーも幸せになれるのですから…。

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