スラブ厚さ20センチでも小梁は必要。

スラブとは鉄筋コンクリート造の建物の床のコンクリート床板(版)の事を言います。

マンションを快適に住まうにはこのスラブの厚さが重要ですが,厚さが20センチ程度ですと小梁の有無も確認致しましょう。

構造設計者に聞きますとスラブの厚さが20センチでも梁(大梁・小梁)で囲まれた梁間面積が30m2以上になると版振動が大きくなり上階の重量衝撃音(ドスン音)が下階に聞えてくる場合があると言っています。

重量衝撃音遮音等級はLHで表示します。上階に住んでいる子供の飛び跳ね音がかすかに聞えるのがLH-50と言われています。

住戸の専有面積が72m2位でスラブの厚さが20センチですと最低でも小梁が2本ないと重量衝撃音遮音等級はLH-50位にはならないので上階住戸の「ドスン音」が聞えて耳障りです。

よく,小梁が無いと天井が平らになってリフォームし易いから良いと言っていますが私に言わせれば,工事費の削減の為としか思えません。

理由はマンションの住戸の天井には最低でも2本のダクトが通っています。よほど階高が高く天井裏の隙間の高さが高くないかぎり,これを梁型の様に囲って納めます。ですのでほとんどの住戸の天井には例え小梁がなくても梁型は発生するので天井は平らにはなりません。

スラブの厚さが23センチでも梁間面積は40m2弱でLH-50をキープですから住戸専有面積70~80m2でも小梁は最低でも1本必要です。それであれば快適に暮らせます。

あと最近流行りのボイドスラブと言うスラブがあります。このスラブは通常厚さは27センチ位です。スラブの中にボイド(穴)が空いていて理論上は軽量化して克つ強度を上げ版振動をほとんど起さないと言っている代物です。

世の中,理論上の計算値どおりに行けば誰も苦労は致しません。私も10年前に構造設計者の勧めであるマンションでボイドスラブを採用しました。住戸専有面積が75m2程度でしたので小梁を入れずに設計し,失敗致しました。夜間静かな場所でしたので上階住戸の重量衝撃音が良く聞えクレームを言う人が沢山出ました。

音のクレームは竣工後には対策工事はほとんどできませんので,謝るのみでした。設計者として辛酸を経験したからこそ言える話です。

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