免震構造とは…。

今回でこのコラムが200号になりました。2004年の12月13日に第1号を書き始めてから約4年も続きました。

これも一重にこのコラムを読んで下さっている方々のご支援の賜物と感謝致しております。

これからも私のマンション設計歴約30年の経験に基づいて,皆様のお役に立つお話を書かせて頂くつもりですので,御支援の程よろしく御願い申し上げます。

さて,今回は「免震構造」に関してのお話を致しましょう。

「免震構造」とは読んで字の如く地震の時に地面の揺れを「免じて」建物の揺れを小さくする構造です。

具体的には建物の柱と基礎の間に「アイソレーター」という部材を入れて地震時の地盤の揺れをなるべく建物に伝えない様にしているのです。

「アイソレーター」とは薄いゴムシートと鋼板を交互に積層したもので,地震時に主に地盤の水平の揺れを建物に伝えにくくする部材です。

「免震構造」のマンションは地震時に「免震構造」でないマンションより揺れが少ないのはこの「アイソレーター」が有るからなのです。

では「免震構造」に問題は無いかと言いますと「NO」です。

特に超高層のタワーマンションには「免震構造」より「制振構造」の方が私は大切だと思っています。

「制振構造」とは地震時に建物が揺れる振動エネルギーを吸収する制振ダンパーという部材を建物に設置し,揺れを小さくし,克つ揺れを早期に収めたりする構造なのです。

では何故,タワーマンションには「免震構造」より「制振構造」の方が良いかを御説明致します。

タワーマンションの上層階は地震でなくても強風などでよく揺れます。地盤は揺れていないのに強風などで建物は揺れてしまうのです。

「免震構造」の建物ですと「アイソレーター」で地盤と建物を絶縁していますので,地震でない時でも強風が来れば「アイソレーター」の積層ゴムで「免震構造」でないタワーマンションよりも揺れが大きくなります。

特にタワーマンションでは「免震構造」よりも「制振構造」の方が普段の生活での強風時等では重要だと思っています。

「制振構造」にもディメリットはありますが,個々の構造設計者の意見がかなり異なりますので,ディメリットに関してのコメントは私は意匠設計者ですので控えさせて頂きます。

また、「免震構造」に用いる「アイソレーター」の耐用年数をメーカーは50年位と言っていますが,ある建築学者は「アイソレーター」は地盤より下に設置していますので,地中のバクテリアが積層ゴムを食べてしまうので耐用年数は30年位ではないだろうか…とも言っております。

「アイソレーター」の耐用年数が建築学者の言う30年位か,メーカーの言う50年位か,どちらにしても交換の工事が必要になります。「アイソレーター」の交換の工事費は億単位の金額です。

本来,「免震構造」のマンションは,この億単位の金額を修繕積立金として考慮すべきです。

処が今までに建った「免震構造」のマンションでは1件もこの事には触れていないのです。

「免震構造」を強調して販売しているならば,将来「アイソレーター」の交換工事費の事は購入者に話して置くべきだと私は思います。

その金額が高額でも購入者に告知するのが,売主の良心ではないでしょうか…。

これから「免震構造」のマンションを購入を予定している方は,販売者に「アイソレーター」の交換工事費を是非,尋ねてみて下さい。


PS:ここで,200号にあたり私に書いて欲しい題材がございましたら「『碓井建築オフィスによるサービス』ご不明な場合のお問い合わせフォーム」に記入し,送って頂ければ幸いです。但し個別物件の評価等は除きます。URLは下記です。

https://www.sumai-surfin.com/service/usui-office/form2.php

このコラムを読んで頂いている皆様からのリクエストを御待ちしています。

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