住戸床面に外気吸気口が有る不可解な設計

先日,内覧会同行チェックをしたマンションのお話を致します。

このマンション,立地は都内23区の城北部で最寄駅から徒歩8分で利便性も良く,周辺環境もまあまあでした。

売主及び設計,施工は超大手ゼネコンでしたので期待して行きましたのに見事に裏切られてしまいました。

この物件,総戸数は250戸弱で価格は坪当り単価が220万円弱とこの地域ではかなり高額です。

住戸へのアプローチは2戸に1台のエレベーター(2戸1ELV)形式で住戸タイプは「センターイン型住戸」なので住戸に着くまではさすが超一流ゼネコンの設計で良い物件だなって期待していました。

処がリビング・ダイニングに入って大きな「掃出し窓」サッシュの前に立ったら床付近から微風が感じられたのです。なんとサッシュ枠の部屋側床面に数箇所「小判型」の穴が空いていおりまして,24時間換気システムの吸気口としてその穴から外気を室内に入れていたのです。

この吸気口を上から懐中電灯で照らして中をみましたら粗い目のスポンジ状フィルターが入っていました。そこでメンテナンスの予行演習の為にこの吸気口の中のフィルターを外そうと試みたのですが,サッシュ枠下端にある吸気口のフェースプレートが外れません。そこで同行して戴いたゼネコンの現場員の方に吸気口のフェースプレートを外してフィルターを取り出す様に頼みました。

ゼネコンの方も色々トライしましたが外せませんでした。
これは生活上大きな問題なので「是正修正事項」としてチェックリストに記入して,修正工事を依頼致しました。

住戸の床は埃や塵が一番溜まる所ですので,この吸気口のフィルターは直ぐに目詰まりを起こして吸気効率が低下してしまう恐れが大です。入居者は頻繁にフィルター掃除をしませんと24時間換気システムが機能致しません。

また,ここから常に外気が上に向って入ってきますので,細かい埃や塵が舞い上がり部屋の空気がいつも埃だらけになってくると思います。

私はマンションの住戸の床面に吸気口が設置されている物件は初めて見ました。明らかにマンション設計の経験不足です。マンション設計は「経験工学」です。この設計担当者はデザイン優先でリビング・ダイニングのサッシュの形状は垢抜けた事務所ビルの窓の様な意匠で「住まい」としての癒しの空間創りの設計にはなっていないのです。

明らかにこのマンションの設計は入居者の生活への配慮が不足しています。

それを裏付けるが如くこのマンションの住戸内のどの居室(リビング・ダイニング,洋室)を見ても窓の両脇にカーテン溜りのスペースが無いのです。

通常のファミリーマンションはリビング・ダイニングの外壁側の壁に直径10~15cmの外気吸気口が設置されていて見た目は良くありませんが,フィルターの掃除は簡単にできますし埃もたちません。また窓の両脇にはカーテン溜りのスペースも設けています。

超一流ゼネコンの設計部が設計したこのマンションにはがっかり致しました。

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