工事中にゼネコン倒産の体験談-2

前回の続きで今回も分譲マンションの工事中に中堅ゼネコンが倒産したらどの様な状況になるかのお話を致します。

前回は売主がゼネコンから建物引渡しを1ヶ月前倒しにして,法的な引渡し手続きを行なった直後にゼネコンが倒産し,直ぐに現場を売主側の警備員に「ロックアウト」(閉鎖)させたところまでお話致しました。

私は直ぐに売主と一緒に現場に行き,工事がどの様な状況かを検証しました。

現場に着きますと,建材納入者や職人さんが「ゼネコンの所長にあわせろ」と怒鳴っていました。現場ではゼネコンの所長と社員の現場監督が放心状態でただオロオロしているだけでした。

建物内の住戸や共用部分の状況を私と部下数人で手分けして見て周りました。かなり,あちらこちらに修正工事が必要な箇所が有りました。

その理由は前回もお話致しましたが,このマンションほとんど完成していまして「ゼネコンの自主検査」が終了しゼネコン検査での是正指摘事項の修正工事中だったのです。

更に言えば,この現場は当初の工事工程表より工事がかなり遅れて毎週の「現場定例会議」で工事の遅れを指摘して早める様に設計者(工事監理者)から指示していたのですが一向に早まらずに,本来であれば引渡し2ヶ月前に修正工事を含めて完成していなければならなかった現場なのです。

設計者(工事監理者)の言い訳になりますが,駄馬はいくら鞭を打っても早くは走ってくれません。

このゼネコンは駄馬と同じで金繰りが悪かったので,下職が指定した日に来てくれず「ズルズル」と工事が遅延していったのだと「倒産」してやっと判りました。

ゼネコンの修正工事が終了していませんが,止む無く「設計事務所検査」を行なったのです。ここでまた沢山,修正工事の指摘が出ましたが,ゼネコンが「倒産」致しましたので修正工事を行う会社を代えなければならない問題が出てきました。

結局,売主の系列の「リフォーム会社」を呼び修正工事を依頼し,「内覧会」前日までに完了させる様に段取りを組みました。これにかかる費用は全て売主の持ち出しです。

一番,参ったのはゼネコンの検査で傷の有る木製扉10数枚を下請けの職人さんが工場に持っていってしまった事でした。この下請けに工場で直して設置してくれと言っても,ゼネコンからお金が未払いだからとの理由で拒否されてしまったのです。

止むを得ず先程の「リフォーム会社」にどんなに高額でも良いから同じ木製扉を1週間で作らせて搬入設置を依頼致しました。通常,製作物は最低でも3~4週間かかりますが,高いお金を払うと言えば工場は一旦,他の仕事を止めてこの物件の扉の製作をしてくれました。

あとの外部や住戸内の修正工事は人海戦術で職人さんを大勢呼び,徹夜に次ぐ徹夜でなんとか間に合わせました。

ゼネコンが倒産してから毎日,朝から夜中まで売主の技術屋さんと「東急設計コンサルタント」の設計者(工事監理者)数人が常駐して見回りや検査をし,大変な苦労を致しました。

工事中のゼネコンの倒産でもこの現場はまだましだったのです。売主の情報網でゼネコンの倒産情報が早く入ってきましたので建物は倒産前に引き渡しを受けた事です。

ゼネコンの倒産が工事の真っ最中で「コンクリート打ち」の時期でしたら最悪でした。

その時期ですと,例えば10階建てのマンションの「躯体」(柱,梁,床や壁など建物の構造を支える骨組み,構造体)が5階位で止まってしまい何ヶ月も放置されてしまいます。

この9月末までにかなりの中堅ゼネコンや中堅ディベロッパーの倒産の情報が私の耳に入ってきています。

マンションを購入予定している方は9月末までは待った方が自己防衛できますのでもう少し我慢して下さい。

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