マンションのリフォームの「要注意点」-2

前回は, 主にマンションのリフォームを行っている設計事務所の経営について, (経営が)成り立っている事が七不思議だと申し上げました。
この件につきましては皆様のご想像にお任せいたします。

今回はリフォームでの更に大切な事をお話致します。

まず,リフォームを行なう前に管理組合に聞く事が有ります。どこまでコンクリートの床・壁・天井(共有部分)に釘やコンクリートビスを打ち込んでも良いかです。

最近,マンションの住人の知識のレベルが高くなり管理組合で共有部分に釘やビス等を打ち込まない事と規約を作っているマンションが多くなりましたので,上記の件はリフォームの計画前に管理組合の理事長に管理規約を見せてもらい意見を聞く事が大切です。

この管理規約に則ってリフォームの計画,工事を致しませんと,後でとんでもない事が起こります。管理組合から現況復帰(元に戻す)の指示が出ているケースが最近多々あります。

マンションのリフォームで特に問題になるのが,間取りの変更です。間取りの変更は既存の間仕切り壁を撤去して他の位置に新たに間仕切り壁を新設するのです。この場合はどうしても戸境壁,床スラブや上階の床スラブ下面に新設の間仕切り壁を釘かビスで固定しなければなりません。接着剤だけでの固定は地震時に危ないです。

戸境壁や床スラブは共有部分です。特に「直床」や「直天井」のマンションは要注意です。
スラブの中に配線用の配管(樹脂のチューブ)が結構入っています。

新設の間仕切り壁を固定する為に長い釘やビスをスラブに打ち込んで, 先程の配管チューブを突き抜けて配線に触れたら電気系統にトラブルが起きかねません。

また,共用部分のコンクリートも20年位経ちますともろくなり,釘打ちやコンクリートドリルで穴を開けますとその周辺にクラック(ひび割れ)を生じさせる事が多々あります。

この様な事を知らずに安易にリフォームの設計や工事を請ける業者は要注意です。
また,知っていても「知らん振り」して設計や工事の仕事を請ける悪い業者もいますので,リフォームを予定している方は事前に管理組合に質問やお伺いをたてておいた方が賢明です。

ちなみに約20年位前から戸境壁の上方に「ピクチャーレール」が付けられたのは,絵画の額やタペストリー(壁掛けなどに使われる室内装飾用の織物)を設置する時に戸境壁のコンクリートに釘打ちをさせない為なのです。この頃から区分所有法を厳密に守ろうとする気運が出てきました。

区分所有法では「共有部分を毀損(きそん)させない事」と謳っています。この毀損させない事を厳密に解釈して住民に遵守させませんと,建物のコンクリート部分にクラックや亀裂が生じたりして古いコンクリートですと剥離現象まで起こる可能性が無いとは言えません。

現在,マンションにお住まいの方は早く管理組合の総会を開いてこれらの事を住民全員で確認して下さい。

あと,おまけの話ですが古いマンションでは床がカーペットでそれをフローリングに交換する場合も要注意です。管理組合がしっかりしているマンションでは規約で禁止しているか,または新設のフローリングの遮音等級(LL値)を規定しています。勝手にフローリングに変えて後で下階の住戸から音のクレームが出て,元のカーペットに戻し,住み辛くなって出て行ったという話は良く耳にします。

マンションのリフォームは区分所有法に依って限界が有ります。

私の経験では流し台を新品に交換したり,壁紙を貼りかえる程度のリフォーム工事にするのが良いと思います。

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