工事費の高騰対策は…?

ディベロッパーの新規分譲マンションの「商品企画」や「設計監修」業務を行なって
最近とみに感じる事は建築工事費の高騰です。

さて,ここで最近の建築工事費の異常な高騰について御説明致します。

昨年の今頃はファミリーマンション仕様の工事費は実際の処,規模にも依りますが
坪当り約55万円/坪~65万円/坪でした。

今年,同じ規模,仕様のマンションの工事費をゼネコンに見積もってもらいましたら
坪単価は75万円/坪~85万円/坪です。

昨年仕入れた土地にこの工事費でマンションを建てて販売しましたら住戸の販売価格が高くなり
とても相場に合わず売れそうにもありません。

そこでディベロッパーは商品企画を見直し,まず住戸面積を狭くして住戸価格を下げて販売する方向に致します。
余裕の有るディベロッパーは建築工事費が安くなるまで物件を凍結致します。

物件を凍結して着工を先送りされますと困るのはゼネコンです。
最悪,年度ごとの予算に合わなくなって中小ゼネコンに於いては「ドボン」(倒産)です。

私が常々ゼネコンに言っていますのは下請けの数を減らす事が最重要課題でそうしなければ生き残れないと警告しています。

現在,どこの建設現場でも実際に工事をしているのは「3次下請け」か「4次下請け」です。
その中間の「1次下請け」や「2次下請け」はピンハネしているだけです。

この辺の事を指摘致しますと昔からのしがらみで止むを得ないとの回答です。コンクリートや鉄筋他,建築資材が高騰していますので,このしがらみを断ち切らなければゼネコン自体が生き残れないと思うのですが一向に改善されません。このまま強気の工事費を提示していたら受注が激減していきます。結果は見えています。

20年程前にグァム島でコンドミニアムを設計・監理した時にアメリカの建設工事費は当時の日本の建設工事費の約半額でした。

サッシュ等はアメリカ本土の製品ではなく日本から輸入した製品を使用してもその価格でした。
理由は建設会社が直にそれぞれの専門分野の工事会社に依頼していまして下請け会社なる会社が無いシステムだったからです。

日本の建設会社も早く改善致しませんとこのままの工事価格を維持していましたら建築工事件数はどんどん減って自滅の道を辿ると思います。ちなみに今年5月のマンションの着工件数は4月に比べて2.7%減少したそうです。

建築工事費が安くなるまでマンション購入を見合わせるのも我々の自衛策です。

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