好感持てる事業主の企業広告-3

今回も前々回,前回の続きです。先月末「朝日新聞」(4月24日付)にカラーで見開き2面にわたって大きくマンションとそのマンションの事業主「サンウッド」の企業広告がとても良かったので御説明を致します。

再度,念を押して申し上げておきますが,今回のコラムの中で取り上げた「サンウッド」という会社と私とは全く何の利害関係も有りませんので,その事を念頭に置いて読んで頂きたいと存じます。

おさらいを致しますと,その広告のタイトルが『 日本のマンションで「当たり前」だったこと。実はかなり「問題」だと考えます。 』となって,サブタイトルで3つの『 日本のマンションの「当たり前」 』を批判しておりまして,前々回と前回で3つの内の2つを書きました。

今回は「サンウッド」の批判の最後の1つの項目についての感想を述べさせて戴きます。

具体的に3つ批判は一番目が『 「居室の窓が直接開放廊下に面している」-- 外の足音が気になる。家の中を覗かれる。防犯上も不安。』で二番目が『「2.95m未満の階高,2.55未満の天井高」--遮音性やメンテナンス性にすぐれていない。ゆとりの空間づくりができない。』とし,三番目は『「建築基準法第52条3項を利用して地下に独立住戸をつくり分譲する」--法定容積率の枠外でつくる地下の独立住戸を分譲するのは?』と疑問を投げかけていました。

これから三番目の批判である『「建築基準法第52条3項を利用して地下に独立住戸をつくり分譲する」--法定容積率の枠外でつくる地下の独立住戸を分譲するのは?』について御説明致します。

この『「建築基準法第52条3項を利用して地下に独立住戸をつくり分譲する」--法定容積率の枠外でつくる地下の独立住戸を分譲するのは?』の批判に対して『サンウッドの「当たり前」3 』として『法定容積率の枠外でつくる地下の独立住戸を分譲しません。法定容積率の枠外でつくる地下居室部分でなく,地下部分のみの独立住戸は分譲しません』と書いてありました。

この内容にはおおいに賛同致しますが,一部異論が有ります。

それは『法定容積率の枠外でつくる地下居室部分でなく』という逃げの文章を入れた箇所です。これは1階の住戸に地下1階の居室を設け専有面積を増やし分譲している事を暗に認めている様に思えるのです。

私は地下住戸はモチロンの事,地下に居室(居住する為に継続して居る部屋)を設置する事は大反対です。マンションの地下は駐車場か機械室のみにすべきです。

以前,超高級マンションで1階の角住戸の地下に居室を設けた設計を嫌々させられた事があります。その地下の居室の土中の壁は二重壁にして更にドライエリア(地下室の一方を採光や換気を目的として掘り下げてつくられた空間)を設置し,24時間強制換気致しました。

処が竣工後,入居者からはいつも「カビ臭い」とクレームを受けた事が有ります。設計者の私は除湿機の設置をマンションの売主に提案して改善を行いましたが,ほとんど効果は有りませんでした。私はこの様な苦い経験から地下に居室の配置は絶対に行いません。

先程の『法定容積率の枠外でつくる地下居室部分でなく』という逃げ文章は是非削除して欲しいものです。

この広告の最後に『サンウッドのマンションづくりは,今までの当たり前を「当たり前」と考えず,“住む人本位”で根源的価値の向上につとめます。サンウッドの新しいマンションシリーズに御期待ください。』と締め括っていました。

私はサンウッドのマンションの設計は行なった事はありませんが,以前千葉の市川でサンウッドが売主で作った若干高額なマンションの内覧会同行チェックをした事が有ります。

その時の感想はそのマンションの佇まいがとても良かった覚えがあります。しかし高額なマンションにしては,間取りや仕上げ材が「高額マンション」の雰囲気で無かった印象があります。特に「納まり」がShabbyでした。

同業他社のマンション広告とは一味違い会社の「哲学」を出し,ソフト面の「価値観」が私と似ていたので皆様に御披露致しました。

このコラムを3回にわたって読んでいただいた方に申し上げます。分譲マンションの広告は企業哲学が大事で「企業ブランド」だけのマンション広告には充分気をつけて下さい。

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