「通気管」からの臭気に配慮

まず「通気管」を御存知ない方が多いと思いますので「通気管」の御説明から致します。

マンションでは住戸内を縦に貫いています「竪排水管」が有ります。その「竪排水管」に排水を致しますと地球の重力で下階に落ちて行き,最終的には敷地外の道路下の「公共下水道管」に流れるのです。

この「竪排水管」に生活排水を流した時に最上部から空気を入れないと,「竪排水管」の上部の気圧がマイナスになり地球の重力だけだとスムーズに排水しないのです。

そこで,最上階住戸の住戸内「横引き排水管」より上に付けられている「竪排水管」状の物が「通気管」です。この「通気管」最上階住戸の天井上の屋根スラブを突き抜けて「キノコ型」状のキャップが付いています。

この「キノコ型」状のキャップから空気を「通気管」より「竪排水管」に入れるのです。「キノコ型」状のキャップと「通気管」に隙間が有りそこから空気が入り排水時に気圧がマイナスにならずに,重力のみで排水がスムーズになる様にしてあるのです。

処が「通気管」は「竪排水管」内に付着している汚れや末端の「公共下水道管」の臭気を出す場合が有ります。

横風が吹くと「霧吹き」と同様に「竪排水管」内の臭気を引っ張って外部にまきちらすのです。

さて,私が皆様に注意して頂きたいのはルーフバルコニー付きの住戸とバルコニーに「スロップシンク」(SKシンク-泥物を洗う流し)が設置してある最上階の住戸です。

まずルーフバルコニー付きの住戸の注意点を御説明致します。

ルーフバルコニーの下は下階の住戸でその「竪排水管」の「通気管」がルーフバルコニーに立っています。その立っている位置と臭気が住戸側に来ない様に配慮して有るかが問題です。

最近は「通気管」のメンテナンスを配慮して位置はルーフバルコニーの手摺の外側に「通気管」を立てて鋳鉄製のキャップをしています。

しかし,住戸側に風が吹いてきますと臭気が住戸内に入ってきます。15年位前はこのルーフバルコニーに突き出た「通気管」はコンクリートの箱(通称-ハト小屋)で囲って住戸と反対側のハト小屋の壁に穴を明けて空気を入れていました。そうすれば住戸側へ横風が吹いてきても臭気は住戸の方に行きません。しかし現在は工事費を1円でも安くする為に露出で立っています。

先日見ました良心的なマンションではルーフバルコニーの手摺の外に立っている「通気管」の周囲に「コの字型」のコンクリート壁を設けて臭気が住戸側に来るのを防いでいまして感心致しました。現在はこの方法が正解なのです。

次に注意して頂きたいのが,バルコニーに「スロップシンク」(SKシンク-泥物を洗う流し)が設置してある最上階の住戸です。

バルコニーに「スロップシンク」が有りますと専用の「竪排水管」が必要です。下水道法ではバルコニーの雨水の排水と「スロップシンク」の排水は一緒にしてはいけないのですので雨樋には流せないのです。

最上階の住戸の「スロップシンク」用の「竪排水管」の上に「通気管」が付いています。
問題はこの「通気管」がバルコニーの屋根(庇)を突き抜けて屋上まで行っていれば良いのですが,最近はわずかな工事費をケチってバルコニーの屋根の下で「通気管」を切ってキャップを被せているのです。

これですと,住戸方向に風が吹くと窓や24時間換気用給気口から下水の臭気が住戸内に入ってきます。

最上階の住戸でバルコニーに「スロップシンク」が設置してある場合は販売員に「通気管」が屋上まで突き抜けているかどうかをたずねて書面で回答をもらって下さい。

ルーフバルコニー付き住戸や最上階住戸はそのマンションの中では割高ですので,こういう所に配慮が行き届いているかで売主の体質が判る所です。

尚,排水時のみ「通気管」に給気する樹脂製の「ドルゴ通気キャップ」という物が有りますが,最近はこの製品を屋外での設置で問題が生じ屋内のみで使用される様になりました。
「ドルゴ通気キャップ」を屋外で使用していましたら要注意です。

これらは購入者が気づかない配慮という事で大切な事です。

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