洗面室入口と洗面化粧台の位置

先日,新規分譲マンションのモデルルームを見た時のお話を致しましょう。

そのモデルルームは「田の字型住戸」プランで玄関を入って廊下の中央付近に洗面脱衣室の入口が有りました。この入口の扉は洗面脱衣室側に開く内開き扉でした。

入口の脇の壁に直角に洗面化粧台が設置してありました。ここまではよく有るプランです。

洗面化粧台のカウンターの下のボックスには扉が3枚と縦一列に3段,引き出しが付いていました。これも通常の洗面化粧台の形です。

処が,私がびっくり致しましたのはその洗面化粧台の引き出しの位置でした。洗面脱衣室の入口側(脇)に設置してあったのです。

早速,引き出しを手前に出して,洗面脱衣室の扉を内側に開きましたらみごとにぶつかってしまったのです。

これは非常に危険ですし,入居者が入居後直ぐに引き出しを壊してしまうか,または出入口扉に大きな傷(へこみ)を作ってしまいます。

人間が出入りする扉と部屋内の収納扉とがぶつかるプランはよく見かけますが,収納量重視の場合止むを得ないと思っています。

しかし,出入りする扉と部屋内の引き出しがぶつかるプランは私は容認できません。直ぐにどちらかが壊れるか,または傷付くかです。

明らかに設計者の経験不足です。

引き出しの位置を入口から一番遠く離れた位置に設置しておけばいい事です。

モデルルームを見れば設計者の技量が判る典型的な例です。

これからの時期は新規分譲マンションのモデルルームのオープンが多くなりますので,見学される方はこういう所を良く見て下さい。

マンション設計は俗に「経験工学」が重要と言われていますので,経験不足の設計者が設計したマンションを購入しない為にも警鐘を鳴らしておきます。

PS:「読売ウィークリー」の次週21日発売号から私のマンションコラム「ここで差がでるマンション選び」のタイトルが変り「マンション一棟両断」になりました。いままでは上段半ページでしたが次回からは1ページになり字数も多くなりましたので御覧戴ければ幸いです。

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