換気設備設計のミス-2

前回に続き「億ション」の「内覧会」同行チェックでの設備設計の配慮ミスについてのお話を致しましょう。

前回は昨年「現地同行」チェック時点の換気設備図面と「内覧会」の直前に送られてきた住戸の変更図が異なっていて「熱交換器」設置の24時間換気システムの容量計算ミスで
給気量不足を着工後に気づき住戸のリビング・ダイニング外壁側の内壁に給気口が設置されてしまい「億ション」らしからぬ部屋になってしまった事のお話でした。

今回も同じ物件で設備設計の配慮不足のお話を致します。

キッチンのレンジフードの排気ダクトの排気口の位置に問題が有りました。

レンジフードの排気ダクトが,バルコニーの上の二重天井(軒天井)の住戸壁近くに穴を明け天井下に出ていました。そこからダクトが天井下面に貼り付き露出して手摺壁方向に向って設置してありました。

「億ション」ですのでバルコニー設置の給湯器等を丸見えにしない様に給湯器設置エリアをアルミ角棒(約5センチ角)を約16センチ間隔で横方向に並べて格子状に囲っていました。

この囲われたエリアの中の天井下に先程のレンジフードダクトが設置されていたのです。

ダクトの断面形状は円で無く横長方形の角型ダクトでした。

問題はこのアルミ角棒と角棒の隙間が約11センチしかないのに,レンジフードの露出した角型ダクトの吹き出し口の高さ(縦寸法)が12.8センチなのです。

判り易く申し上げますと,レンジフード排気口の先端,約10センチ先に先程のアルミ格子が有りレンジフードの排気がその格子に当たってしまい,スムーズに排気せずアルミ格子の内側が将来,排気の油等で「ベトベト」になり,屋外の埃や塵が付いて汚くなってしまうという事です。

本来,特にレンジフードの排気口は外壁面より若干外に出しておくのです。

完全に外観の意匠(デザイン)優先で,ダクトの納まりとの事を配慮していなかったのです。
意匠設計者と換気設備設計者の打合せ不足です。

私は「内覧会」チェックでこの事を付き添って頂いたゼネコンの方に申し上げ,「是正修正事項」とし,現状のレンジフードの排気口をアルミ格子の外まで延長する事を修正指示致しました。

機械換気は排気口の目の前に排気をさえぎる物が有ってはいけません。換気設備設計の「イロハ」です。特にレンジフードの排気は油を伴いますのでさえぎる物が油で「ベトベト」になりそこに外部の埃が塵が付きます。掃除や給湯器の故障時にこの格子を外すのがまた大変です。格子の一部がビスで外せる様になっていましたので試しに外してみましたがとても素人では重くて外せませんでした。

マンションの設備設計者は購入者の入居後のメンテナンスに配慮しなければなりません。

設備設計者は意匠図を良くチェックしないとこの様になってしまいます。

売主サイドの技術担当者も設計者に「お任せ」にせず,現場を巡視してこの様な事が無い様に充分に気配りしてください。

連載コラム

特集

もっと見る