換気設備設計のミス-1

先月,都心の億ションの「内覧会」同行チェックでのお話を致しましょう。

この物件は過去に私が「現地同行」チェックをした物件です。換気設備図を見て設備設計の配慮が行き届いていましたのでお奨めした物件です。

設備設計の配慮が行き届いていたところを具体的に申し上げますと24時間換気システムに「熱交換器」を設置し,外気を住戸の天井裏の一箇所から取り入れて排気の熱と給気の熱を熱交換し,ダクトで各部屋の天井の給気口から外気を給気する様になっていました。

処が,先日「内覧会」同行チェック前に売主から送られてきました変更図を見せてもらってびっくり仰天です。

なんと,24時間換気システムの給気量が不足していた為に,新たにリビング・ダイニングの外壁側の内壁に給気口が設けられていたのです。

この給気口は部屋の気圧が負圧になると自動的に開く形式の物でした。

早速,台所に行きレンジフードを「ON」に致しましたら,この給気口から外気が直接入ってきまして暖房していたリビング・ダイニングの部屋の温度が下がって寒く感じました。

これでは,24時間換気システムに「熱交換器」を設置してありますのに,奥様が台所で調理中レンジフードを回していましたら外気が熱交換せずに直接リビング・ダイニングに入ってしまい寒いです。
24時間換気システムに「熱交換器」を設置した効果が出ません。

「熱交換器」設置の24時間換気システムの空気容量の計算ミスです。
工事中,計算ミスに気付きリビング・ダイニングの外壁側の内壁に新たに給気口を設けたのではないかと思います。

更に,当初販売事務所で見ましたこの24時間換気システムの給気口と排気口はバルコニの天井に下向きに設置してあり,かなり離れていました。当時,販売用の住戸図面でもその様になっていました。

処がやはり先程の「内覧会」前に売主から送られてきました変更図ではこの給気口と排気口の離れが10センチ強しかなかったのです。私はショートサーキット(排気された空気を給気口が吸い込んでしまう事)を起こす恐れがありますので,双方の位置をもっと離す様に「是正指摘修正事項」に書き込みました。

この物件の売主は,購入者に設計ミスに依ってこの様になりましたのでと言って陳謝し購入代金のいくばくかを戻すべきだと思います。100%完全な物件は存在しませんが,この物件のハード面の一番評価が高い部分でミスったのですから…。

億ションでも,24時間換気システムに「熱交換器」を設置していない物件は沢山有ります。

しかし今回の物件は最初の換気設備図には24時間換気システムに「熱交換器」が設置してあり住戸内の部屋の外壁側内壁にはどこにも給気口の穴は空いていなかったのです。
私は「現地同行」チェックでその点を多いに評価しましたのに裏切られた感じです。

この物件,もう1ヶ所換気設備設計で重大なミスをしています。

次回にその事を皆様に御報告致します。

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