個性の無いマンション

先月末位からだいぶマンションの完成在庫(売れ残り住戸)が増えてきました。

ある,不動産関係者はもう3万戸以上完成在庫が有ると言っています。

それを売れ付けるかの様に「キャンセル住戸」がでましたというチラシが連日沢山,新聞に折り込まれて入ってきます。中には今年3月竣工した物件までありました。

完成在庫の多い物件の特徴は共通しています。

1,立地が悪く最寄駅より徒歩10分以上歩く物件。

2,周辺の価格相場より高すぎる値付けをした物件。

3,価格を抑える為に,住戸が狭い物件。

4,競合他社の物件に比べて,マンションに個性が無い物件。

この4項目全てに当てはまる物件は竣工しても完売できずに完成在庫住戸がかなり有る様です。

ここで,建築家の私として言いたいのはマンションの住戸や佇まいに個性を付ければだいぶ売れ行きが違うという事です。

私は過去,昭和55年から昭和60年までのマンション不況時代,競合他社が全く売れない時に「個性のある住戸」を設計して即日完売を勝ち取った経験が何度か有りますので,この様な事が経験上皆様に言えるのです。

現在,どんどんマンション不況に陥っています。
再度,先程の昭和55年から昭和60年のマンション不況時代とほとんど変わらない「個性の無い」マンションを分譲しているからです。

「個性の無いマンション」とは具体的に申し上げますと,住戸プランでは「田の字型」プランを採用している物件です。

「田の字型」住戸プランに付いてはこのコラムを始めた頃の7号と9号に詳しく説明していますのでそちらを御覧下さい。

「田の字型」住戸プランを一言で言えば住戸の間取りが「田」の字の形をしているからその様に呼ばれています。「田」の字の中の縦線が廊下で横線が水周り,そのまわりの4つの□が部屋をあらわしています。

「田の字型」住戸プランは大きく分けますと2週類ありまして「縦長リビング」タイプと「横長リビング」タイプです。どちらも一長一短あります。

この「田の字型」住戸プランは昭和50年代から使われている間取りです。

この住戸プランの細部のスペースを若干変更しましても所詮は「田の字型」住戸プランに見えますし,使い勝手も左程良くなりません。

今回のマンション不況を脱出する為にも「田の字型」住戸プランのオンパレードを止めて
「個性ある住戸」プランを検討し,設計して「個性の無いマンション」を止める方向に向って欲しいと思っています。

現在の顧客層は共用施設の充実や,ランドスケープの良さだけでは評価しない傾向が強くやはり一番大事な「住戸プラン」を数多く検討して購入しています。

これからマンション購入を予定している方々に申し上げます。

「住いサーフィン」やインターネットで大手や中堅ディベロッパーのホームページへアクセスし,間取り検索できますので,もう「田の字型」住戸プランのマンションはパスしましょう。
そして「個性の有る住戸」プランのマンションを購入して快適に暮らしてください。

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