図面を公開しない「不信感」

先日,「現地同行」チェックのお話を致しましょう。

まず,依頼者に御会いして物件資料一式のメインパンフレット,販売図面集,価格表等を拝見致しました。

「販売図面集」の中の購入予定の「住戸プラン」を拝見いたしますと,戸境壁の厚さは通常の厚さでしたが,バルコニー側壁と外廊下側壁の厚さがとても薄く斜線が表示してありました。

ですので,多分「ALC版」(軽量気泡コンクリート版)と推測致しました。

処が,メインパンフレットの「構造」のページには「外部に面する壁厚は180mm以上としています。」と書かれており「一部除く」とはどこにも書いてありませんでした。

再度,「販売図面集」を良く見ましたら,「凡例」の欄に斜線が入っている壁は「ALC版」になっていました。普通の素人の方ではそこまで見ずにメインパンフレットの「構造」のページを見て外壁は18センチ厚みの鉄筋コンクリート造と思い込んでしまいます。

まず,この件で私の依頼者はこの売主に若干「不信感」をいだきました。

その後,モデルルーム・販売事務所に行き設計図書一式を見せてもらう様に御願いしました処,出てきた図面の薄さに唖然と致しました。

それを見て,依頼者は「今日ここに来る前に電話で意匠図,構造図,電気設備図,給排水衛生設備図,空調換気設備図全てを用意して下さいと御願いしましたのにこれはどういう事ですか?」と販売担当者に質問をしました。

返ってきた回答が「売主よりの指示でこれだけの図面で良いという事です。」。

具体的に申し上げますと意匠図の大事な共通仕様書,特記仕様書,仕上げ表や住戸平面詳細図,住戸内展開図,建具表等チェックに必要な図面がすべて省かれて製本された意匠図だったのです。

この規模のマンションの製本された意匠図の厚さは約3センチ位あります。今回,見せてもらった意匠図(製本)の厚さはわずか1センチに満たないものでした。

超大手の良いゼネコンの設計部が設計したマンションなので期待して私に「現地同行」チェックを依頼したにもかかわらず,見せてくれた製本された図面はチェックで大事な図面はほとんど入っていませんでした。

これで私の依頼者は完全に売主に「不信感」をつのらせてしまいました。

私は何もやましい事が無ければ分譲マンションは高額な商品なので設計図書は全て開示するべきだと思います。私はそうしていました。

そうしませんと,購入予定者に「不信感」をいだかせる要素になります。

売主や販売代理の方々に御願い致します。

設計図書は全て開示して購入予定者と信頼関係を築いて下さい。

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