壁より天井は明度を高く

住いのインテリアは子供の感性を左右すると言われています。

最近の新規分譲マンションのモデルルームの住戸のインテリアを見ますと,首を傾げたくなる様な住戸を見かけますので,今回はその事についてのお話を致しましょう。

最も良くないインテリアは壁に貼ってあるビニールクロスと天井に貼ってあるビニールクロスが同じ壁紙(品番)を採用している住戸です。

色彩心理学の著名な先生から聞いた話の受け売りですが,住いのインテリアは床・壁・天井と上にいくほど明度(明るさ)を上げた方が良いのです。その様にした方が部屋が広く見え圧迫感が無いのです。

処が,先程申し上げた様に壁と天井に同じビニールクロスを貼りますと天井に貼ってあるビニールクロスの方が明度は低くなります。すなわち暗く見え圧迫感が生じます。
これは実験致しますと直ぐわかります。

同じビニールクロスを垂直に立てた場合の明るさと,頭の上に下向けに持っていった場合の明るさとでは後者の方はかなり暗くなります。

では,何故この様なインテリアのマンションが出来るかの理由を御説明致します。

大きな目的はコスト削減です。しかし設計者がしっかりと工事見積書を査定すればマンションで用いているビニールクロスの価格は壁のビニールクロスと天井のビニールクロスの品番が変わっても全く同じ価格になります。

しかし,設計と施工が同じ会社ですと設計者の工事見積書の査定はほとんど皆無です。同じ会社の中では設計者より現場所長の方が権限は強く,なるべく利益が出るように設計者に指示します。

ですから同じ品番のビニールクロスを沢山発注した方が現場に入ってくる価格は安くなるのです。

ファミリーマンションで使用されているビニールクロスの見本帳は通常の大きな見本帳と異なりエコノミー版と言ってその見本帳の中のビニールクロスの定価の価格はすべて同じです。

定価はすべて同じでも発注する量に依って現場に入ってくる価格は異なるのです。当然,量が多くなればなるほど安い価格で入ってきています。

おわかりになりましたか…?設計者の工事見積書の査定する力量が無いと往々にして壁と天井に貼られているビニールクロスが同じ物(品番)になり,暗い圧迫感の有る天井の部屋ができてしまうのです。

大手一流の設計事務所が設計したマンションや,一流(大手とは限らない)のディベロッパーのマンションではその様なインテリアデザインの部屋は価格の安いマンションでも無くなってきています。

壁と天井のビニールクロスが同じ部屋が有るマンションを分譲しているディベロッパーの体質が良く分りますので注意して見て下さい。

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