エレベーターの位置と仕様は…。

今回も先週に続きエレベーターのお話を致しましょう。

まずエレベーターの位置です。

各階の一番遠い住戸からエレベーターホールまでの距離は50m以内にある方が良いのです。
この理由は女性が思い荷物(ゴミ出し等)を運ぶ時の限度の距離は50mと言われています。

超高層の塔状のマンションですとエレベーターは各フロアーのセンターコアー(建物内の中心に共用施設を集めて設置した所)に有りますので,住戸玄関から50m以上という事はまれです。

処が,塔状で無く版状の高層マンションでは廊下の長さが長い場合が多いので妻側の端の住戸玄関からエレベーターホールまでの距離が50mを超えるケースが多々見受けられます。

この様な場合はエレベーターが2台以上有れば分けて配置するのが設計者の配慮です。
この様な配慮の無い設計者が設計したマンションは「押して知るべし」です。

次にマンションのエレベーターの仕様で不可欠な点をご説明致します。

まず,一番大切な仕様は9人乗りトランク付のエレベーターが最低でも1基有る事です。このトランク付が大切です。
これはエレベーターカゴ奥の正面の壁の下部が観音開きになっていて,開くと長い物が運べる様になっています。
脳溢血で倒れた時は水平に搬送しないと,生命に係わりますので救急車のストレッチャーも水平に搬送する為にエレベーターにこのトランクが必要な訳です。

次に大切なのがエレベーターの機械にP波センサーが付いているかです。大きな地震時,事前に地面を伝わってくる振動P波が有りそれを感知して自動的にエレベーターを止めてしまう優れ物のです。

通常は地震時に来るS波で地震が来てからエレベーターを止めるのですが,P波センサーはS波センサーより事前に地面の波動を感知し,地震の数秒前にエレベーターを止めるので安心です。

その次に大事なのが,停電時自動着床装置です。停電になった時エレベーターが階と階の間に停止するのを防ぎ最寄りの下の階で止まりドアーが開く様になっている装置です。
この作動はバッテリーで行いますので,バッテリーのメンテナンスと何年かでのバッテリー交換が必要です。

あとエレベーターのカゴ内の操作版と対角線側の位置に「非常警報押しボタン」が増設されている事です。カゴ内で襲われて操作盤に付いている「非常警報押しボタン」に手が届かなくても対角線側の壁にもう一つ「非常警報押しボタン」が設置してあれば手が届き押して異常を知らせられますから安全です。

最近はマンションのエレベーターカゴ内天井に監視用テレビカメラが設置されているのが普通ですが,問題はそのモニター画面を誰も監視していないケースがほとんどなので「非常警報押しボタン」の増設は絶対に必要です。

本来,理想のマンションは1フロアー当り2戸に1基のエレベーターが有るプラン(#104コラム参照)ですが,エレベーターの保守点検費用が1台につき月に約5~7万円ですので管理費が上がってしまいます。管理費が月に2~3千円上がっても2戸1エレベータータイプ住戸のマンションをお奨め致します。

またマンションのエレベーターの仕様も最低上記の仕様を満たしている物を選んだ方が良いと思います。エレベーターの地震時対応仕様とセキュリティー対応仕様は必要最低条件です。

PS:
「書き込み式 マンションチェックBOOK」を「主婦と生活社」から9月14日に出版致しました。この本は私の長年の経験に基づいて素人の方でも判り易くチェック出来る様にした本です。御一読いただければ幸いです。

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