内覧チェック指摘後の対応

先日,千駄木でマンションの内覧会同行で是正指摘後の対応が良かったお話を致しましょう。

物件名は「シェルゼ千駄木」で売主は「明豊エンタープライズ」で設計事務所は「スペーステック」,施工会社は「大末建設」でこれから御説明する事はとても良い話ですのであえて公表致しました。

実は約10年程前,私が「東急設計コンサルタント」在籍中に「明豊エンタープライズ」と「商社A」のジョイントベンチャー(共同企業体)物件の設計依頼が有り商品企画会議に参加した経緯が有りましたので「明豊エンタープライズ」のイメージは正直あまり良くなかったのです。
その頃の「明豊エンタープライズ」の価値観は私と対極でしたので良い印象ではなかったのです。

処が,今回「シェルゼ千駄木」の内覧会に同行しましてその良くないイメージは払拭されました。

私は内覧会同行チェックでは「傷」や「汚れ」のチェックはなるべく依頼者に御願い致しまして,建築や設備の基本的な納まりを私がチェックしています。

まず,住戸に入って玄関を見ましたら土間,上り框や廊下の一部が薄いベージュ色の石貼りで土間の石の色合わせもしっかりと行なっていました。

上り框の石を良く見ましたら石の中にオレンジ色の模様が2センチ×5センチ程の大きさで入っていましたので石の交換を御願いいたしました。通常の内覧会ではこの石の交換は素直に受け入れてもらえませんが,今回たまたま「大末建設」の現場所長さんが同行してくれましたのであっさりと「交換致しましょう」と言ってくれましたのには感激致しました。内覧会同行チェックの場合,その現場の責任者が一緒に付いてくれますと是正指摘箇所の修正の結論が直ぐ出て気持ちよく早く進行できます。

リビング・ダイニングに入ったら依頼者の住戸は妻住戸でしたので3面が外部に面して窓が有り,それぞれの面の窓上の天井埋め込みカーテンボックスの高さが大きく違っていましたのでその事を指摘致しました。1面の窓のカーテンボックスの高さをもう1面の窓のカーテンボックスの高さに揃えるのは建築的に今からでも不可能でないので高さ変更を修正指摘致しましたら,私の理論に同意してくれまして「修正工事をします。」とまたあっさりと受け入れてくれました。

最後にルーフバルコニーに出て外部のチェックを致しましたらとんでもない箇所を見つけてしまいました。

それはこの住戸が最上階で住戸の屋根の一部が戸建の様に傾斜してカラー鉄板で化粧防水してあり,問題は屋根の下部に「雨樋」が無く雨水が垂れ流し状態でした。雨水が垂れ流し状態で有りますと外壁の汚れ箇所が多くなり,無風の雨でも窓は開けられません。

ですので斜め屋根の下端には絶対に「雨樋」は必要不可欠なのです。

「雨樋」には「横樋」(軒樋)と「縦樋」があります。

私は早速屋根の下端に「横樋」を通し両脇に「縦樋」を設けて排水溝まで通す様に追加指摘工事としてお願い致しました。

処がこの事に関しては「理論は良く分りますが追加工事になり,また共用部分ですので売主である明豊エンタープライズの了解を取らないと工事はできません。」との回答でした。

その住戸の内覧会同行チェックを終えてから1階で早速,明豊エンタープライズの方に「雨樋」の追加工事の件を話しました。明豊エンタープライズの方はその場での回答は出来ずに後日,書面をもって回答する事を約束してくれました。

この時点では私には過去に「明豊エンタープライズ」との「トラウマ」が有りましたので多分追加工事は共用部分ですので「屁理屈」を理由に行なってくれないだろうと予想していました。

今までも他物件の内覧会同行チェックでこれに似た様な是正修正工事の指摘をしても,受け入れてもらえなかった事が多かったからです。

後日,確認会(再内覧会)時に内覧会同行依頼者に私の是正指摘事項は全て行なう旨の書類が「明豊エンタープライズ」の「社印」押印付きで渡されました。

また一番心配していました「雨樋」も実際に私がお願いしました様に付いていました。

今回の「シェルゼ千駄木」のメンバーが私の「雨樋」不可欠論を理解して追加工事をしてくれました件は未だかって無い事です。

「シェルゼ千駄木」の内覧会同行をして結果がとても良かったと嬉しかったので皆様に披露致しました。

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