壁,下地材の有無の重要性-2

今回は皆様が関心をお持ちのマンションの地震対策についてのお話です。我国では昨年,震度1以上の地震が2000回位発生したそうです。

今後マンションを購入する上で購入予定のマンションの地震対策のチェックは重要だと思いますので具体的に御説明を致します。

まず,ほとんどのマンションは大きな地震で住戸の玄関扉が変形して開かなくならずに避難できる様に「耐震枠」「耐震丁番」仕様の物を採用しています。

また,最近は台所の流し台上の吊り戸棚の扉も震度4~5の様な大きな地震では開かないようにしています。
特に吊り戸棚の扉が大きな地震で開いてしまいますと中に収納している物が台所の上から落ちてきますので非常に危険だからです。

ここまでの配慮はほとんどのマンションで行っていますが問題は「置き家具」の転倒防止対策です。
特に「置き家具」の高さが1.8メートル以上ですと大きな地震が起きた時転倒して人間が下敷きになって大怪我をする恐れが多分に有ります。

最近のマンションは各洋室や和室にクロゼット,ワードローブや押入れが有りますので「置き家具」は無い方が良いのですが,奥様方が「嫁入り道具」として持ってこられた「洋服ダンス」「和ダンス」や「食器棚」等はほとんどの方が捨てずにずっと使われているケースが多いのです。

この既製品の「洋服ダンス」「和ダンス」や「食器棚」はマンションの住戸内の壁際に置いても壁にぴったりと設置できません。
通常,壁と「置き家具」に隙間があいてしまうのです。

その理由は壁の下端に「幅木」(はばき)というものが付いているからです。
この幅木は厚さが約6~10ミリ位有り壁より出っ張っていますので,幅木にぴったりと「置き家具」を据えたとしても「置き家具」の背板と住戸の間仕切り壁との間に先程申し上げた約6~10ミリの隙間があいてしまうのです。

「置き家具」は背板と壁との間に隙間が有りますと地震時によく揺れます。
また大きな地震では倒れる危険性が大なのです。

そこで,最近注目されていますのが「ホームセンター」等で売っている「家具転倒防止金物」なのです。この金物は「L字型」等になっておりまして「置き家具」の天板や上端枠に「木ビス」(木材に使うビス)で固定してから間仕切り壁にまた「木ビス」で固定して「置き家具」が転倒しない様にした金物なのです。

前回も手摺設置の為の下地が必要と申し上げた様に,この「家具転倒防止金物」も間仕切壁の中に「木ビス」が締め付けできる「下地材」がなければなりません。

通常,マンションの住戸内の間仕切り壁はプラスターボードの表面にビニールクロスを貼っているだけです。

間仕切り壁のプラスターボードの厚さは9.5ミリか12.5ミリですがそこに「木ビス」を締めても効きません。ホームセンター等で「プラスターボード用のビス金物」を売っていますが,この商品はビスに大きな力がかかるとプラスターボードが欠けてビス自体が抜けてしまいます。

そこで,配慮の有る売主は約10年前よりマンションの住戸内の間仕切り壁の中に「家具転倒防止下地材」を標準設置かオプション設置をしています。リビングダイニング,洋室や和室の間仕切り壁のプラスターボードの裏に床から高さ1.8メートルの位置に幅約30センチで横に水平に「家具転倒防止下地材」を通して設置しています。この「家具転倒防止下地材」は「木ビス」が効く厚さ9.5ミリか12.5ミリのベニアを下地材として使用しているのです。

このベニアが設置されていれば「家具転倒防止金物」を留める「木ビス」がプラスターボードを貫通してベニアにしっかりと固定できます。
この様にしておけば大きな地震が起きても「置き家具」の転倒の心配はないと思います。

この様な事には購入者の方々があまり気にされない所ですが,今後大きな地震がくるとも言われていますので是非とも配慮して有るかの確認をして下さい。

この様なところに配慮が行き届いている売主は信用できると思います。

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