「君子危うきに近付かず」です

「姉歯事件」や「アパマン事件」以来,私に「現地同行」で設計図書チェックを依頼させる方は皆さん構造に不安を持っています。

私は「意匠設計者」ですが「姉歯事件」以来,友人の「構造設計者」よりかなり構造の事を詳しく教えてもらい勉強を致しました。

私が以前からマークしているゼネコンの設計・施工物件は「合法」だが危ない構造設計を行っています。

そのゼネコンの構造図を入念に調べましたらやはり下階の柱の主筋(縦に通している鉄筋)の一部に極端に細い鉄筋を採用していました。

このゼネコンの構造設計は「限界耐力計算方式」を構造計算方式に採用しているからなのです。

ここで以前から私が危ないと言っていた「限界耐力計算方式」が具体的に実証された話を申し上げます。

あるディベロッパーがこのゼネコンに設計・施工を依頼して出来てきた構造計算書と構造図を大手設計事務所にかなりの金額を払って再チェックさせました処,結果は「保有水平耐力」が規定値の7割しか無く,地震の揺れ方に依っては「震度4」でも危ないという事でした。

私は「限界耐力計算方式」で構造計算されている物件すべてが危ないとは申しませんが,この「限界耐力計算方式」を採用する場合は建物の形に依るのでかなりのマンションには向かないと申し上げているのです。

またこの「限界耐力計算方式」は合法ですので万が一「震度4」の地震で建物の一部が崩れても,売主,構造設計者や施工者に法的責任は有りません。

「天災」で運が悪かったという言い訳で何の保障も出ないと想像されます。

ですから私は構造計算を「限界耐力計算方式」で行っているマンションには「君子危うきに近付かず」だと思います。

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