低価格で「良識あるマンション」を供給するには…。

私がこのコラムで「二重床」「二重天井」は必要最低条件と御説明したり,竪排水管は鋳鉄管が良いと色々説明してきていますが,そうすれば当然工事費は多少上昇します。

「設計監修」や「コンサルタント」をしている事業主の会社の社員の方々はよく私に「碓井さんの言うとおりにマンションを作っていたら,工事費がUPし価格が高くなって売れなくなります。」と言ってきますが,私は「広告宣伝費を査定して減らせば,私のお薦めの設計基準の費用は捻出できますよ。」と直ぐに回答致します。

分譲マンションの事業予算書を見ますと,ほとんどの事業主(売主)が「広告宣伝費」を総売上費の約3%の費用を計上しています。この約3%の費用の内訳根拠はよく分りませんが,「広告宣伝費」はほとんどの場合査定されておらずに使われています。

さて,ここで郊外のファミリー向けの1戸当りの平均売値が約3,000万円前後で総戸数100戸の分譲マンションを例にして御説明致します。

1戸当り平均売値が約3,000万円前後で100戸ですと総売上費は約30億円です。「広告宣伝費」がその3%ですと約9000万円です。販売事務所兼モデルルーム作成費用は約2,500万円~3,000万円程度です。残りの約6,000万円~6,500万円が販売パンフレットやチラシの費用になります。

これらの費用,私はどう考えてもキチンと査定すれば約1000万円~1,500万円位は浮くと思います。

この総戸数100戸のファミリーマンションの工事費は大まかに幾ら位かと申しますと,現在ファミリーマンションの総工事費を戸数で割りますと大雑把な計算ですが1住戸当りの工事費は約1,500万円/戸~1,600万円/戸ですので,先程例にしましたファミリーマンションは住戸が100戸有りますのでの総工事費は約15億円~16億円です。但しこの数字は「二重床」「直天井」の場合です。

話を元に戻しまして,私がいつも言っています「二重天井」(直天井から)にグレードアップする工事費は100戸であれば先程浮いた約1,000万円~1,500万円の「広告宣伝費」で充分まかなえると思います。1住戸当り約10万円~15万円UPするのですから竪排水管に代える差額までも出てくるはずです。

何度も言いますが「広告宣伝費」を査定して切り詰め,その分を工事費に廻せば販売価格は高くならずに「マトモ」な仕様のマンションができるはずですし,現に私が行なっている「設計監修」物件でも実現しています。

更に言えば分譲マンションの事業予算書の粗利益率が20%~30%ですのでそこから若干2%程度削って仕様を良くしたり価格を落とせば「良識あるマンション」が低価格で供給できるはずです。

私は実現性の無い理想論は言いません。事業者(売主)サイドが真剣に顧客にとって「良識あるマンション」を供給しようと思えばできる事です。

これから分譲マンション事業者は「製販一体」(製造と販売が同じグループ)となって「良識あるマンション」を低価格で供給して頂きたいと切に願います。

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