面格子で分かる購入者への配慮

また,新規分譲マンションのモデルルームオープンが活発になってきました。

私はなるべく新規分譲マンションのモデルルームを見る様にして目を肥やしています。

今回はこのコラムを読まれている方にそのマンションが購入者に配慮が行き届いているかの判定方法の中の1つを御説明致します。

販売事務所に行き販売パンフレット一式をもらってからモデルルームへ行き,モデルルームの住戸玄関の中に入いる前にまず外廊下側の部屋の窓に設置されている面格子を見て下さい。

この,面格子は元々防犯の為に設置されている物ですが,ここに設置されている面格子の仕様を見ただけで,売主の購入者への配慮が読み取れます。

面格子の仕様は大きく分けて2種類あります。その中の1種類はただ単にアルミの角材を組み合わせて作成された30年以上も前から存在していた物です。もう1種類は面格子の中の横桟が翼の様な羽の様になっておりまして面格子が「ガラリ状」(よろい戸状)になっている物です。

この前者の面格子の格子が縦桟のものですと口の悪い人は刑務所や留置場の窓の雰囲気だねと言っています。せめて横桟ならば見た目も少し良いのですが…。

また,この前者の面格子の場合は以前も申し上げました様に網戸の掃除や網の貼替えで網戸を外す前に面格子を外すのですが,外したら元の位置には素人では取り付けられない物がほとんどです。こういう面格子を採用している売主は入居者自身が行うメンテナンスへの配慮が欠如しています。

後者の面格子は横桟が翼状の羽状になってその羽状の物が水平や斜め上下に可動するのです。これ依り外廊下側の部屋のプライバシーが格段に確保できるのです。外廊下側の部屋の窓を開けて通風を確保したい時は横桟の羽状の物を斜め下に向ければ外廊下を歩いている人から部屋の中は見えませんのでとても良いですし,夜は羽状の物を下に向ければ雨戸代わりになり暗くなって熟睡できます。

但し,ここで後者の面格子の設置方式が2種類有りますので御説明致します。

1つめは前者の面格子と同じ設置方法で網戸の脱着の為に面格子を外したら素人では元の位置に設置できない代物です。

2つめは後者の面格子の設置金物の上に丁番が付いていまして,下方の左右両脇に「蝶ネジ」(ネジ頭が蝶の形をしたビス)が有りそれを廻して縦にして面格子の下端を外に押し出すと下から上へ「突き出し窓」の様に開くのです。その様になっていれば網戸の脱着も簡単です。

これがとても大事なのです。先程も申し上げた様に網戸の取り外しにかかわる事なのです。面格子が簡単に開いてくれれば網戸の清掃や網の貼替えの為に網戸が楽に脱着できますし面格子も元の位置に設置できます。

こういう購入者が購入検討時には気が付かずに,入居後に気付いて困る所に気遣いする売主は一流です。

私は建築家ですからコスト比較を致します。普通の面格子と上記最後に書いた面格子の下代価格(定価ではない現場搬入価格)の価格差は大きさにも依りますが,約3万円~5万円程度です。1住戸に2箇所採用しても原価で約6万円~10万円程度のアップです。販売価格は約,原価×1.4倍ですから1住戸当り8万円~14万円アップです。1住戸の価格が4,000万円だとしましたら4,015万円になる程度です。

広告宣伝に高額なギャラを払って有名タレントを起用するよりもこういう所にお金を使うのが本来良識ある売主ではないかと思うのは私だけでしょうか…?

さて,私事ですが昨日26日に私は人生のターニングポイントを迎えました。これからもマンション業界の「御意見番」としてこのコラムを続ける所存でございますので皆様の御支援をよろしく御願い致します。

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