「酷い雑誌記事の話」

今週の週刊朝日の巻頭記事は酷い。
タイトルは「マンション値上がりする駅」で、新指標を作成したそうだ。
新指標とは、2002年と2012年の築約10年の中古価格を比較するというもの。

この指標の5000万円以上の最下位は品川駅。
「新幹線が停まるようになり、周辺再開発が進んだのになぜ?」と思うのが、普通の感覚だ。
その通りで、この指標は分析方法が間違っている。

品川駅は山手線の内側の高輪口と海側の埋立地の港南口に分かれる。
2002年の10年前はバブル期の終わりで、マンションは高輪側がほとんど。
2012年の10年前は湾岸大量供給の時期で、マンションは港南側がほとんど。
値下がりしているのではなく、相場が違うところを比較しているだけだ。
そう、まったく意味が無い。

実は、この記事の取材依頼が編集側から来ていたが、断った。
データ分析方法が間違っていることも説明し、恥をかくから辞めた方がいいとまで言った。
第一、ローンを組んで高い買い物をする人を愚弄してはいけない。
こんなデタラメにこじつけたコメントをしたら、信用を失うだけだ。
記事の一部はこちらで読める。見識を疑わざるを得ない。
http://dot.asahi.com/business/money/2013040200007.html

不動産業界の分析レベルはこの程度が実情だ。寂しい限りである。
合計と平均しかできないと思ってもらっていい。
それも鑑定事務所が、立地補正もかけないのは困る。

最後に、役に立つ話をしておこう。
方法は不正確でも、全部間違う訳ではないので、一部は正しい。
その理由として正しいのは、交通利便性と生活利便性の向上が不動産の価値を上げるということだ。
分かりやすく言うと、前者は新駅と鉄道の開通で、後者は再開発である。
品川駅は新幹線が停まり、駅前が再開発されたので、価値は向上している。
この10年程で、大江戸線・南北線の開通、三田線や半蔵門線の延伸がされた。
その恩恵は、麻布十番や白金高輪などに出ている。

理由も説明できないデータにはご注意を。

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